日々、考察中。

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80年代のロック!

80年代のロック!

2004/9/7
 1980年代。
 そのころ僕は10代で、世の中の掟通りロックに目覚めた。
 音楽というとてつもなく大きいものの中で、ロックというジャンルがどこからどこまでという決まりは、僕が知っている限りどこにも無いから、僕がロックであると思うものはロックであるという定義のもとで話を進めていく。
 初めに聞いていたのは、FMラジオだった。アイドルの歌がトップを占めていた日本のヒットチャートは見向きもせず、僕は、"ロック"が並んだ洋楽のヒットチャートばかりを聞いていた。今からすると、そのころの洋楽ヒットチャートは、洋楽のアイドルたちが占めていたといっても過言では無い気がするが、そのころはロックでだったのである。
 デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、リマール、マイケル・ジャクソン、ケニー・ロギンス、クイーン、アーハ(この書き方はどうかと思うが。汗。)いくらでも浮かんでくる。そのころのチャート上位は、クイーンのレディオ・ガ・ガ、ケニー・ロギンスのフット・ルース、カルチャー・クラブのカーマ・カメレオン、ヴァン・ヘイレンのジャンプ、デュラン・デュランのザ・リフレックスなどであった。
 そこから僕の中で変化していったのは、聞きたい曲が、ヒットチャートから自分の好みの音楽へ傾いていった事だった。傾いた先には、要するに好みの音楽は、そのころの僕の中でいうなんでもかんでもの"ロック"ではなく、世間一般的な"ロック"だった。
 アメリカン・ロックが好みだった。
 ブライアン・アダムスの最高傑作(と、未だに僕はそう思っているし、未だに僕のフェイバリットの1枚である)"レックレス"が出たのもこのころで、それがきっかけだったといっても良い。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースを聞き、ブルース・スプリングスティーンでこぶしを振り上げ、ジョン・クーガーの暗い瞳を見てたじろいた。
 アメリカン・ロックが取っ掛かりとなったのがL・Aメタルで、モトリー・クルー、ラットなども聞くようになった。ラットのセカンドアルバム、"インビジョン・オブ・ユア・プライバシー"のA面(そのころはLPレコード)最初の3曲の畳み掛けるようなスリリングな展開に恐れをなして、ようやく静まってきたころ、B面に移行し、"ホワット・ユー・ギブ・イズ・ホワット・ユー・ゲット"で、またA面最初のテンションに引き戻され、モトリー・クルーの"スモーキング・イン・ザ・ボーイズ・ルーム"で、ボーイズ・ルームが男子トイレを示している言葉であると知って、英語の勉強をする(?)。なんだかわからないが、無節操にロックを聞きまくっていた時代だった。
 当然、展開はアメリカだけにとどまらず、ヨーロッパ方面のロックに向かっていく。クイーンなどは最初から聞いていて、それほど違和感の無いまま進んでいった先にローリング・ストーンズがいた。そして、ヨーロッパのHM軍団がいた。
 さらに進んでいく途中には、デヴィット・ボウイが宇宙からやって来ていて、ハワード・ジョーンズがキーボードをなめらかに弾いて、スコーピオンズの"バージン・キラー"というアルバムを見て、緊張した。笑。
 デュラン・デュランのメンバーである、ジョン・テイラーとアンディ・テイラーが、シックのトニー・トンプソンとソロボーカリスト、ロバート・パーマーといっしょになって"ザ・パワー・ステーション"というユニットを作った。その音は、僕にとって衝撃的で、トニー・トンプソンのかわいたスネアの音が印象的だった。ビジュアル担当のジョン・テイラーは相変わらず色男であったし、ロバート・パーマーの声は大人の響きでこの音に合うのか?と思ったが、びっくりするほど合っていた。しかし、何といっても衝撃度ナンバー1だったのが、アンディ・テイラーのギターだったのだ。
 デュラン・デュランの音は、ギターを前面にフューチャした音ではなかったので、アンディの存在はニック・ローズのキーボードの影に隠れていた。しかし、ザ・パワー・ステーションでのアンディのギターは、それまで聞いた事が無いほど輝いていたのだ。アンディのギターの音を聞いて、「暴れたいのに暴れられなかった"アンディ・テイラー"という獣が、"デュラン・デュラン"という名の檻から解き放たれたのだ」と感じた人は、僕意外にもいたはずだ。後にデュラン・デュランを脱退する事になるアンディは、ソロとして活動したがぱっとしなかった。しかし、ソロ第1段のアルバムを僕は持っていて、その中で繰り広げられるギタープレイを聞いて、これが本当のアンディ・テイラーなのだ、と感じた。
中学3年の時の文化祭で劇をやって、僕は監督と音響をやった。クラスの何人かでシナリオを作り上げた劇で、僕はその劇に、僕の好きな洋楽をちりばめた。最後の感動的な場面には、ブライアン・アダムスの"へヴン"をつかった。満足な出来で、隣のクラスの担任の先生から「つかった音楽のセンスが良かった。」と誉められた。(自慢)
 自分が聞いている音楽の中で、ギターという楽器を確実に意識し始めたのがこのころで、僕はギターの音を探し始めた。ガンズン・ローゼスのスラッシュのレス・ポールを聞き、リッチー・ブラックモアのストラト・キャスターを聞き、キース・リチャーズのテレ・キャスターを聞き、アンガス・ヤングのSGが欲しかった。笑。
 その一方で、ワムを聞き、ブルーハーツを聞き、ハービー・ハンコックを聞き、セロニアス・モンクを聞いた。しかし、自分に戻ってくれば、探しているのはギターの音で、この時期に残っているのは、バンドでコピーした音楽たちだった。
 その後は90年代になり、ギターの音を求めている内にブルーズに辿り着いてしまうのだけど、僕の中の80年代のロックは、しっかりと心に刻み込まれている。



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