日々、考察中。

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魚をさばく!

魚をさばく!

2004/7/1
 僕は魚をさばく事が出来る。
 もちろんプロのようにスムーズにさばけるわけではない。でも、全長50cmぐらいのカツオまでなら経験があるのだ。小さい方は、イワシの手開きの経験もあるし、ニジマスをスモークするために3枚におろした事もある。
 なぜ僕が魚をさばく事が出来るようになったかと言うと、最大の理由は、父親が魚をさばく事が出来たからだと思う。魚をとったりさばいたり料理したりという事に、ほとんど興味がなかった弟と正反対で、僕は小さい頃からそういう事に前向きで、父親の後ろについては川に行っていた。魚をとって、さばいて、食べるという過程を目の前で見てきたのだ。門前小僧の習わぬ経を読む、というやつである。
 父親は客が来ると、ニジマス料理でもてなした。全長40cmあまりのニジマスを刺身にしてする時には、必ず僕を呼んだ。呼んだというより、僕が寄って来た。さばくところを見せつつ、助手代わりに使うのだ。皿を持って来い、内臓を捨てて来い、切り身を冷蔵庫に入れておけ、と命令は次々と僕に課される。数回助手を経験した僕は、すっかり慣れて次に何をしたらいいか解るようになり、言われる前に必要なものを準備するようになった。
 小学校高学年になったころ、1匹のニジマスをあてがわれ、刺身にしてみろ、と言われた。いきなりの本番である。客は親戚一家。すでに2匹は父親の手できれいにさばかれて、フライ用の切り身と1皿の刺身になっている。僕にもう1皿の刺身を作れというのだ。
 僕は見て憶えている手順でニジマスをさばいていった。父親は途中でどこかにいなくなった。父親が戻ってくる頃には3枚におろしたものの水を切り、削ぎ切りにするところだった。僕は包丁を寝かせ気味にして刺身を引いた。父親の手には皿があって、僕はその上に刺身を並べた。「まあまあやな。」という父親の言葉を聞いて、うれしかったの記憶している。
 そんな感じで、その後も数々の魚をさばいてきたから、今も魚を購入する時は1匹丸ごとが好きである。自分でさばけばアラがとれるから、身以外のおいしい部分もしっかり食べられるし、そういう部分には身にはない栄養があるらしい。すばらしい。
 だからこそ、魚をさばく事が出来る人には価値があるのである。


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