日々、考察中。

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PRIDE GP!

PRIDE GP!

2004/6/21
 昨晩はPRIDE GPの準々決勝だった。
 開催当日、地上波で放送されたこの大会は、どれほどの視聴率を取ったのだろうか。少し前までは考えられなかったが、今ではその辺りを歩いているおねーちゃんでさえ、ノゲイラやヒョードルという名前を知っているのだ。多分、昨晩のフジテレビもウハウハの視聴率だったに違いない。
 僕自身、昨晩は不満足だった。
 答えは簡単で、アローナVSジャクソンの試合や、ハリトーノフVSシュルトの試合が蔑ろにされていたからだ。確かに最近のブームに乗って格闘技を見るようになった人達には、どうでもよい試合であったかもしれないが、格闘技観戦歴が長い者にとってはちゃんと見たい試合だった。視聴率を気にした番組作り上、しょうがない所であるのか。
 いつもならCS放送で、2100円を支払って見るPRIDEだが、今回は当日地上波放送ということで、2100円の価値がないと判断してPPVを購入しなかった。無料で見たのだから、素人向けの番組作りにも納得せざるを得ないか。

 そんなわけで、地上波観戦の今回、それでも見所はたくさんあった。
 まずは桜庭VSニーノ。フルラウンド戦って判定で桜庭、という結果だった。判定に文句はないけど、どっちが勝ってもおかしくない試合だった。それぐらい桜庭にキレがなかったということか。しかし、ニーノ・シェンブリは以前に桜庭とやって勝った時のニーノよりも、確実に強くなっていた。打撃への対応がうまくなっていたし、自身の繰り出す打撃もレベルが上がっていた。放送では、桜庭のひざの故障ばかりを強調していたが、実際はニーノがレベルアップしていたところにフルラウンドまで行ってしまった原因であろう。ただ、完全な状態の桜庭ならば、ニーノは楽勝の相手である。これは絶対。
 どんな順番で放送されたのか憶えていないから、順番は適当に。
 次は、ヒョードルVSランデルマン。結果は、ヒョードルのアームロック1本勝ち。以前はパウンドによる勝利が多かったヒョードルだが、最近はサンボの関節技をよく披露する。前回のコールマンも、ガードからの腕ひしぎ逆十字だったし、今回はサイドになってのアームロック。完璧。しかし、前回ミルコを撃破したランデルマンも良かった。バックドロップというか、ジャーマンスープレックスというか、とにかくヒョードルを脳天から叩きつけたパワーは圧巻。あの時、何とか逃げに回ったヒョードルを一気に仕留められなかった所に、ランデルマンの甘さがあるか。しかし、一気に行っても仕留められたかどうか。それぐらいヒョードルは強い。
 次は、ノゲイラVSヒーリング。前回の対戦を"名勝負"だと強調しすぎ。前回の試合は確かに面白かったが、しっかりと内容を吟味すると"関節技から逃げるのがうまいヒーリングが、ノゲイラの関節技を終始かわした試合"であることがわかる。ヒーリングにとっては納得のいかない試合であっただろう。そんな感じで始まった今回の対戦。前回と同様の試合展開。幾分、打撃の打ち合いが多いか。これは、ボクシングを学んできたノゲイラが、ヒーリングの得意分野に付き合っているようなイメージであるが、ヒーリングはスタンドで打撃を多用するタイプではないし、ノゲイラは元々打撃はうまかった。だから、当然といえば当然の展開。グランドに移行した時に目に付くのは、ノゲイラのポジション取りのうまさと、ヒーリングの下手さ。以前から思っていたが、ヒーリングはグランドでの有利なポジションを相手に簡単に与えすぎ。といっても、そこから逃げるのは抜群にうまいから、自信の表れなのか。いつもの展開で1ラウンドが終了して、2ラウンドが始まった瞬間に新たな展開が生まれた。ヒーリングのタックルをノゲイラがつぶしたのだ。"あ、この体勢は"と思った瞬間、スピニングスリーパー。完璧だった。あの体勢からひざ以外の極め技を持ったノゲイラ、強い。
 次はGPではないが、それなりに期待感があった試合。
 吉田VSマーク・ハントである。ハントの圧倒的パワーを、吉田がどんな風にいなしてグランドに持っていくのか、非常に興味があった。体重差もあるから、今後、吉田がヘビーでやっていく指針になるのかも。両者、慎重に構えて始まった試合は、吉田のタックルでグランド戦に。体をいかして上になったハントがパウンドするも、吉田が腕ひしぎ逆十字にとらえる。しかし、パワーのハントは吉田の顔面にひざを落としたりなんだかんだ抵抗して引き抜く。膠着状態からブレイクして再びスタンドになってからの展開が、吉田のうまさを物語っているかのように、再びグランドへ。ハントのパウンドを全くゆるさずに、三角締めの体勢から腕ひしぎ逆十字。吉田の完勝だった。ハントはパワーもあるし、パウンドもうまそうだ。スタンドテクニックもあるから、グランドでのディフェンスを出来るようにすれば、かなり活躍できるのではないか。あとは、減量ね。
 さて、フジテレビの素人向け番組作りで犠牲になった試合の登場である。
 ハリトーノフVSシュルト。リングスでヴォルグ・ハンが前田とやりあっていた時から、ロシア勢は強いと思っていたが、やっぱり出てきた、ヒョードルに続く強者。どのあたりが強いのかいまいちはっきりしないタイプではあるが、シュルトのマウントを取って、両足で首と片腕を抑えパウンドなどという技術は凄い。跳ね返すのが可能であるようなポジションであったが、シュルトが返せないんだから、相当の抑え込む力なのであろう。その部分しか放送されなかったからわからないが、ハリトーノフの圧勝であったか。試合の全貌を見てみたい。
 アローナVSジャクソン。アローナがガードから三角締めに移行して、あとは足のロックだけというところでジャクソンの超強力パワーボム。この1発でアローナ失神KO負け。これではアローナがかわいそうだ。と思ったが、結局ジャクソンが強いという事か。この場面しか放送しないのはどうなのか。
 で、フジテレビが押しに押した対決。CMでも散々流れていたハッスルポーズ。この大会は、"ハッスル"ではなくて、"PRIDE"だぞ。どうなっているのだ、DSE。
 さて、小川VSシルバ。しかし、この試合をメインのような扱いにするのはどうか。小川は唯一GPに残った日本人であるし、ハッスルポーズも流行っているからわかるが、相手は所詮大きいだけのシルバである。少しでも総合格闘技を見てきた人なら、勝敗を予想するのは簡単どころか、つまらない試合になる可能性も高いと思ってしまう。実際は、大きいシルバを小川が攻めあぐね、マウントからのパンチでタップアウトという展開で、そこそこ見所もあったが、"技術のあるものが一方的に大きいだけの相手に勝った試合"でしかなかった。小川の勝ち方としては良かったが、フジテレビの番組の作り方としては最低だった。

 そんな感じで終わったPRIDE GP準々決勝大会。脇を固めた試合もそこそこ見応えがあって、大会としては面白いものであった。やはりリアルタイムで、PPVで見るべきであったと反省しているが、当日無料放送がなあ…。
 GPを勝ちあがった4人は、みんな良い勝ち方をしているから、準決勝、決勝が非常に楽しみだ。準決勝は、ヒョードルVS小川、ノゲイラVSハリトーノフだと予想する。ヒョードルとハリトーノフは同じ国の出身だからやらせないと思うし、ヒョードルとノゲイラはドル箱カードだから、後にとっておくだろう。だから、この組み合わせの可能性が高い。
 そして決勝は、ノゲイラVSヒョードル。この2人は、やっぱり強いのだ。
 で、僕の希望的観測からして、ノゲイラ優勝。
 いかが?




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