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BONDS~絆~
愛しい人◎那奈◎
違う。あれは洋介じゃない。
洋介はあんなキャバ嬢となんか…私以外の子とキスなんてしない。
私以外の子と腕は組まない。
違う。洋介じゃない。
翌日洋介とキスをした。
キスは初めてじゃないけど幸せだと感じたのはこの時が初めてだった。洋介は私より2つ上の大学生。
街で友達と歩いていたら声をかけられたのがキッカケ。
「洋介…」
「ん?」
「香水臭いよ」
「…この臭い嫌か?」
「洋介の香水じゃないなら嫌い」
「俺のだよ」
「なら好き」
「他に誰のがあるんだよ」
浮気相手と言いそうになった所を我慢した。
「別に…」
そう言い洋介は私にキスをしてサヨナラした。
洋介は格好良い。ノロケとかでなく世間一般的に…。
ある日友達に洋介とのプリクラを見せると皆格好良い!と顔を赤らめていた。
「歌手みたい」
「そこらの歌手より格好良いよ!!」
こんな台詞をキッカケに洋介の大学が私の通ってる学校に近いという事もあり皆で行った事もある。
「洋介」
「那奈どうしたんだ?」
「友達が洋介をみたいっていうから…」
「ほーヨロシクね」
3.4人で行ったが私以外は皆顔を赤らめていた。
「玉城」
洋介が友達に呼ばれるまで私達は話していた。
「それじゃ帰ろうか」
私がキリだしたのに皆は大学の中もみたいとか言い出して結局みる事になった。別れ際皆がキャアキャア騒いでる時
「那奈俺今日遅くなるから先帰って良いよ」
「うん…」
「…」
待ってたらダメかな…洋介は私をじっとみた。うつむきながらも悟られまいと
「何?」
と聞いた。
「何でもないよ」
と言い私に背を向けた。洋介は受け身な女は嫌い。
「…っ待ってちゃダメかなぁ?!」
洋介が足を止めて私の方を向いた。大学の外の真ん中。辺りには人が嫌という程歩いてる。その中で洋介は私にキスをした。当然周りのめをひいた。なのに普通に洋介は話した。
「じゃあロビーで適当にくつろいでてよ」
「わかった」
キスされた箇所を撫でながら頷いてハグレタ仲間達を探す事にした。結局見付ける事が出来ずにのちに先に帰ったよメールがきた。暗くなった空を見てまだ電気のついてるロビーのソファに座りながらメールを打ち洋介を待ってた。8時位に洋介が御免と来た。声をかけられて私はソファに寝ていた身を起こした。電気は消されていて真っ暗だった。
「あ…終ったの?」
「まだなんだ。だから送る」
「良いよじゃね」
「ああ」
バイバイして自動ドアから帰ろうとした時後ろから声がした。
「明日は休みだからお前が学校終ったら遊ぼうな」
両腕を私の腰に巻き付けて耳元でそう囁いた。私がうんと頷き上を見ると巻き付けていた両腕で私の腰を掴み回して屈んでキスをした。真っ暗なロビーで月明かりだけが私達を照らしていた。愛しい…。純粋にそう思った。涙が出そうだったけど押し止めてそのままサヨナラした。
翌日私は洋介と会うのが楽しみで学校を早退してしまった。
「そんなに早く俺に会いたかったのか」
「うん」
と答えた私を洋介は愛しく思ってくれたのかキスしてきた。
「じゃどっか行くか」
「うん!」
手始めに昼に抜け出したので食べに出てからゲーセンに行きプリクラを撮った。その後カラオケに行き3時間後に洋介の家に戻り沢山キスした。どのくらいしてただろう。洋介のひざの上にまたがり洋介の両頬を両手で抑えずっとしてた。寝転がる事なく。
「那奈キス上手いよな」
と笑って言うから恥ずかしくなっちゃった。
「好きだよ。明日休みだろ?泊まれよ」
洋介はいつものように言った。
「うん」
私もいつものように答えたが明日は実は朝から補習だ。
「そういえばこの前の期末どうだったんだ」
洋介はたまに父親くさいことを言う。
「まあまあだったよ」
「お前のまあまあは悪いな」
「そんな事ないよ~」
「学校はちゃんといけよ。金かかってんだしけじめのためにな。俺と付き合ってて成績悪いなら会わないからな」
厳しい事を言うけど最もだ。
「はい」
だから私もすぐに従ってしまう。
「さて俺は風呂入るよ。一緒に入る?」
「馬鹿」
「あはは。じゃ漫画でも読んでなよ」
「うん」
私真面目なのかな。心の中で葛藤が起きてる。
さっき洋介が“成績悪いなら会わない”て言ったからからかな…。明日の補習受ける為に帰ろうか帰宅しようか迷った。暫く考えていると洋介が風呂から上がった。
「お前は良いのか?」
洋介はどうしたい?
「…うん」
「どうした?」
「…明日補習有るの」
「そうか。じゃあ帰るか?」
そんな簡単に言わないで。久しぶりなのに…。
「泣くなよ…」
「御免」
「とりあえず今日は帰れよ。また今度があるさ」
「…」
目頭が痛い。
「お前はいつからそんなに泣き虫になったんだよ」
「っ御免…」
「謝るなよ。可愛いんだから」
洋介…。可愛いって言ってくれてるのは私だけによね?他の子には言ってないよね
?突然そんな不安が頭をよぎった。
チャラリララ~♪着メロが鳴り洋介は携帯に出た。
「うん、俺。…いないよ。あぁ、解った。泣くなよ…」
誰?ねぇ…私以外にもいるの?女の子いるの…?
「…じゃあ帰るねっ。誰か来るんでしょ?一人で大丈夫だから…バイバイ」
「ああ」
何も聞かないんだね。何も教えてくれないんだね。私ももう何も聞かない。
パタンとドアを閉めて古いアパートの金属で出来た階段を降りていると下から登ってくる人がいた。女だ。ふっと彼女の横を通りすぎるとこの前洋介に抱き締められた時と同じ香りがした。まさか…ね。小さな不安が心に残った。そんなことないよ。足を止め彼女の行き先を眺めた。どうか洋介の部屋には行きませんように。彼女の足が止まった。その家のドアが開いた。充分顔が見えた。そっか。そうだよね。私以外にいないはずないもんね。わかってるけどやっぱ寂しいよ。切ないよ。ねぇ洋介。私は階段下から貴方を見てるよ。ううん。貴方と彼女が笑顔で話して彼女が貴方の腕に自分の腕を絡ませている所もしっかり見たよ。やっぱり私じゃ貴方を独占出来ないんだね。サヨナラ。洋介。私の目標だった人。自
意識過剰でも何でも良い。貴方が彼女と何かしら関係をもってることに変わりはないでしょう?だからもう貴方には会わない。会えない。会いたくない。私は私だけを愛してくれる人のもとへ行きます。それがいつになろうともそっちの方が私は幸せだと思うから。サヨウナラ…。
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