森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.03.02
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土居健郎に「甘えの構造」という本がある。日本人の甘えの心理について的を得た説明である。

ほめてもらいたいのにちょっとしたミスをして叱られた。こんなに頑張っているのに、評価してくれない。ねぎらいの言葉もかけてくれない。ミスや失敗をした時、慰めてくれない。説教され、挙句の果てには無能力者呼ばわりされた。
自分の気持ちを察して、大目に見て甘えさせてほしいのだけれども、甘えさせてくれなかった。冷たく突き放された。被害者意識がある。

ここには、自分自身や自分の引き起こしたミスや失敗を、ありのままに認めるという態度ではない。それらをなかったものとして受け入れてほしい。いや、受け入れてくれるべきだという気持ちが見て取れる。つまり虫のよい甘えである。

さらにいえば、人から賞賛を浴びるために努力して成果を出す。何かを成し遂げるといった積極的な姿勢を見せることがない。
ここに森田理論でいう「かくあるべし」と現実のギャップに悩む病理が発生するのである。

最終的には、甘えたいのに甘えられないと、「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」「うらむ」という心理が生まれ、そこに被害者意識が生まれるという。
土居氏によれば、素直に甘えさせてくれないから「すねる」ことになる。「ひがむ」のは、自分が不当な扱いを受けたと曲解するわけだが、それは自分の甘えのあてが外れたことに起因する。「ひねくれる」のは、甘えることをしないで相手に背を向けることだが、それは自分の甘えの期待にこたえてくれなかったと感じることによる。甘えが拒絶されたということで相手に敵意を向けるのが「うらむ」である。

人に甘えて依存することから、「生の欲望」に目覚めて、その流れに乗っていく立場が森田理論のよって立つ土台である。





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Last updated  2013.03.02 09:07:03
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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