森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.06.20
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部長で定年退職した人が、用事があって会社に顔を出したところ、以前の部下がそっけない態度をして腹が立ったという話を聞いた。受付で不当な対応を受けたというのである。
昔の地位や権力の名残で、待遇に対して丁重に大事に扱われてしかるべきだという意識があったのだと思う。

対人恐怖で苦しんでいる人は、いつもそんな状態を期待して現実とのギャップに苦しんでいる。
我々は部長さんのように昔の栄光を持っているわけでもない。
画家、音楽家、俳優、スポーツ選手のように能力を持っていて、注目されるのが当然というような存在でもない。

それなのに自分はすべての人からどこまでも大切に扱われ、重要人物として一目置かれるように期待している。ここが普通の人と大きく異なるところである。
普通の人は、その時対応する相手が、自分をどのように扱かうかという事を、事前に自然な行為として予測している。
予測以上に対応してもらうと喜び、予測以下だと自尊心が傷つけられ、腹が立つのである。

たとえば、社長室を訪ねた時、「ちょっと、その件はあとにしてくれ」といわれて腹が立つ人はいない。そのように対応されるかもしれないことを予測しているからである。


こんな例はいくらでもあります。

普通の人は時と場合に応じて、自然に臨機応変に切り替えながら生活しているのです。それが当たり前になっています。これに対して神経質者はすべての人から丁重に扱われることを期待しています。

こんな違いがなぜ発生するのか。これは神経質者が強固な「かくあるべし」を持っているからである。人から常に高評価をされなければならない。バカにされてはいけない。等と現実離れした高い自己評価をかってに設定して、そのように相手が自分を取り扱ってくれることを期待している。思想の矛盾に苦しんでいるのである。「かくあるべし」を減らして「事実本位」に少し切り替えてゆくことが大切です。






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Last updated  2013.06.20 06:18:25
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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