森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.08.05
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
その他神谷美恵子さんと森田理論でよくいわれている共通点について紹介してみよう。

欲望の制御ということについて。
「欲望というものは満たせば満たすほどなれがきて、もっと大きな刺激が必要となるらしい。ひとたびエスカレートし始めた欲望はそれ自らの惰性で、少しでもけずられることに反発するだろう。生きていてももはや何の面白いこともなく、なんの驚くこともなく、なんのありがたみもなくなって、あるものはただ既得の特権を守るための努力のみ、となったとしたら、これは生きながらの地獄ということになるだろう。」

森田では、物欲、権力欲、名誉欲などの欲望は果てしがなく、自分さえよければ、人はどうなってもよいという考えは、欲望と不安のバランスが崩れていると見ます。欲望は強いほどよいのですが、反対の制御機能が働いてバランスをとらないと必ず最後には破たんします。それは自然の摂理だからです。

運命は受け入れるということについて。
「人間は自分を超えるものに対しては常に畏れの心を持ち、謙虚であるべきだと思います。またあやまちやつまずきを重ねながら自己を常に反省し、貧しい心のままに、大いなる自然の力に身を委ねて歩んでいくべきものでしょう。」

例えば病や老いや死など、あるいは仕事の問題、人間関係の問題など解決できない問題に常に直面している。人間にはどうすることもできない問題があるということを自覚することが大切です。
不運が身の上に降りかかってきても、「悲運を嘆くのではなく、悲運は悲運として時間をかけて、また時間を信じて忍耐強く引き受けていくことだ。」

森田ではどうにもならない不運な運命に嘆き悲しむのではなく、運命は切り開いていくものだと学習しました。森田理論そのものです。


「こころの旅」という著書の中で、「結婚には冒険がつきまとう」と書いている。
配偶者選びは先の先まで見極めることはできない。「ときには高い崖から飛び降りるほどの勇気と決断がいることだろう。」「自分の人生経験や勉強によって培った直観力によって相手を見る」ことが大事。「占いだよりの品定め」という姿勢は如何なものかという。

また「独身で通すか、結婚するか」「仕事をとるか、家庭をとるか」という二者択一の考え方はしていない。
神谷さんの考えは、結婚を前向きに考えて、家族の世話や子育ても自分の仕事と同じように丁寧に取り組んでいったのです。精神科医としての仕事も、家庭の妻として、母としての役割も時間の許す限り、使命感に満ちて「生きがい」として取り組まれたのです。ものそのものになりきって生き抜かれたのです。

結核やガンに侵されて65歳という若さで亡くなられましたが、精一杯生きられた人生に悔いはないという気持ちが伝わってきました。





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Last updated  2013.08.05 06:30:30
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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