森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.08.30
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カテゴリ: 森田番外編
誰でも歳をとってボケて、犬や猫のような生活を余儀なくされることはイヤだと思う。しかし現実には認知症を抱えてしまう人は多い。そのうえ足腰が立たなくなって、植物人間のような状態になると、本人も苦しいし、介護する人も家族の負担も大変だ。

集談会でも介護の話は、毎回のように話題として取り上げられる。
認知症の人の脳はどうなっているのだろうか。
まず記憶をつかさどっているのは脳の中央部にある「海馬」である。これが歳とともに機能不全に陥る。少しずつ記憶が薄れてくる。これは仕方ない面があるが、積極的に手足を動かすなどの生活を保っていると、全く機能しなくなるということはないようだ。

次に嬉しいとか、悲しいとか、腹が立つとか、恐ろしいという感情ですが、大脳辺縁系の原始的感覚だという。
脳でいえば、快、不快、好き、嫌いは扁桃体の役割である。意欲とかやる気は帯状回の担当である。これは動物などにもある。認知症になっても、最後まで残る感覚である。だから旧皮質といわれている。

前頭葉は、大脳新皮質といわれるもので、動物ではほとんど発達していない。人間のみが高度に発達している。人間には理性があり、感情の制御があるというのは、前頭葉、頭頂葉、後頭葉の働きによるものだ。

認知症の場合は、海馬や前頭葉などの働きが機能しなくなって起きる。
例えば、さっきご飯を食べたのに、「嫁がご飯を食べさせくくれない」などという。まず海馬が機能不全に陥っているために記憶がないのである。


しかしそれを抑えたり、うまく立ち回るような前頭葉の働きが衰えているので、我慢するということはできない。その結果相手に不快なことや、してはいけないことを平気でしてしまうのである。

認知症になった人が家族にいる場合どうするか。
脳の働きを理解していれば、叱りつけたり、説教しても、そのいやな感じだけが蓄積されるのでほとんど意味はない。反対に悪影響が積み重なる。
認知症の人は、今現在だけに生きているのである。それ以外のことは記憶にない。

「嫁が自分の財布を取った」と言えば、財布が自分の目の前にないということを言っている。
だから家族の人は、「そうか。それなら一緒に探そう」といって探せばよいのです。
自分が置き忘れていることが多い。また自分で隠すこともあるが、大体同じようなところに隠しているそうです。
見つけたら「あった。あった。ここにあった」と言って一緒に喜んであげる。そして渡してあげればよいのです。穏やかになります。
すぐにまた別の問題を出します。同じ対応することが大切です。これは集談会で聞いた話です。介護は事実に従うと比較的うまくいくという話だと思います。

ただ私たち自身としては、認知症にならないように予防することが大切です。脳が廃用性萎縮を起こさないように森田理論を応用して生活していく姿勢を堅持したいものです。





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Last updated  2013.08.30 07:10:34
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