森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.09.15
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
アメリカでは子供が悪いことをすると家に閉じ込めてしまう。
自由で勝手気ままな行動を制限して罰を与えるのである。
アメリカでは自由を奪われるということに苦痛を感じる。

反対に日本人は子供が悪いことをすると家の中に入れずに外に出してしまう。
つまりもう保護の対象ではないから、自由に一人で生きていけと見放してしまうのである。
日本で見放される、外されるということは社会的な死を意味している。
だからみんな恐れているのである。

これは文化の違いだと言えばそれまでだか、それぞれに長所短所が入り交じっている。
いずれも偏り過ぎると、さまざまな問題として表面化される。


「佐世保小六女児同級生殺害事件」である。小学校6年の女児が学校内で、同級生をカッターナイフで切りつけて殺すという事件である。

この被害者と加害者は普段から仲の良い子供として周りから見られていたそうである。
殺害のきっかけは、加害者が教室で被害女児におぶさった時、「重い」といわれた事や、ネットで悪口を書かれた事といわれている。

どちらかというと殺人事件にまで発展しそうな問題だとは思われない。
これは息苦しいまでに学校では、毎日友達に気を使って生活しなくてはならない中で起きた事件のような気がする。
お互いに縛り縛られあって、やれ携帯メールだといって「つながってなくちゃなんない症候群」の状態にあったという。(小林道雄氏「感受性の未熟さが非行を招く」)

閉塞的で窒息状態にあったのである。
自分の行動が常に相手によって監視され、価値判断を下されるということは考えただけでも重苦しい。このように自分の勝手な自由な行動が制限されると、ちょっとした不快な出来事であってもすぐに耐えられなくなり、爆発するのである。我慢に我慢を重ねた最後に大爆発するのです。

大人でも会社の中で、周りの人の動向ばかりを気にして、仕事がうわの外という人がいる。
悪化すると出社することができなくなる。佐世保の事件と同じ構図である。

本来人間は、他人の思惑を気にすることは二の次にして、自分気持ちを大切にし、やりたいことに自由にのびのびと取り組んでいる時に、この上ない快感を覚えると思う。



ここは森田の出番だ。
自分の「生の欲望の発揮」を第一に考えること。これが重要である。これをないがしろにすることは、生きることがつらくなる。まずは一つでもそうしたものを持つことが大切だと思う。

最終的には自分の「生の欲望」の発揮と他人への配慮がバランスが取れていかないと、まともな生き方には結びつかない。でも神経質者の場合はその前に、自分というものを前面に打ち出して生きるという姿勢が持てないということが問題である。「生の欲望の発揮」は森田理論の根幹である。十分に学習してほしい。






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Last updated  2013.09.15 07:11:55
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