森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.11.10
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「かくあるべし」の中に完全主義というのがあります。

私は完全主義の上司と一緒に仕事をしたことがありました。
その人はノートを見ると5センチぐらいのところに縦に線を引いてそこに見出しをつけています。
字を見ると印刷したかのようにきちんと書いてあります。それは見事なものでした。
とにかく几帳面を絵にかいたような人で、世間話をすることさえ緊張感を覚えました。
完全主義が自分だけならまだいいのです。
完全主義を周りの人にも押し付けるのです。
息が詰まるような重くるしい雰囲気がありました。

その後その人は部長になられて本社に呼び戻されました。

毎月行われる営業会議はとても緊迫したものだったそうです。

営業所長は月々の販売予算を持っています。
それが達成されていない所長はやり玉に挙げられるのだそうです。
罵詈雑言を浴びせられたのです。
どうしてこういう結果になったのか。
月の途中でどうして改善できなかったのか。
今後はどうして立て直していくのか。
重箱の隅をつつくように追い詰めていくのだそうです。

所長に言わせると、それが分かっていれば誰でも実行しています。
でも解決の糸口が分からなくて苦しんでいるのです。
アドバイスはしないで、批難ばかりするのです。

耐えきれなくなって退職する人もいました。
ついに所長たちは、連名で社長にその部長の理不尽さを直訴したそうです。
するとしばらく経って、社長はその部長を子会社に出向させました。いわゆる左遷です。
各営業所の所長は集まって祝杯を挙げたそうです。
この方は、結局その後1年ほどで退職してゆかれました。


販売予算は必ず必達というのが自分の課せられた使命であると思われていました。
この視点で部下を見た時とても我慢がならなかったのでしょう。
部下は部下で「かくあるべし」を平気で押し付ける上司は鬼のように思っていたのです。

完全主義、完璧主義という「かくあるべし」は双方を不幸のどん底に陥れてしまいました。
これが、予算が達成できないという現実、現状、事実から出発できたとしたら事情は大きく変わっていたのではないでしょうか。
森田理論学習でなかで「ほどほど道」という話を聞きました。
私はこれを「事実本位」と読み替えて理解しております。





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Last updated  2014.11.10 07:26:08
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