森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.01.17
XML
NHKで「サイレントプア」というテレビ番組を見た。
「サイレントプア」とは、物言わぬ心の貧困の蔓延というような意味だろうか。
現代の時代をうまく表現しているような気がする。

50代の引きこもりの人の話だった。男性である。
自分の部屋にずっと引きこもり、本を読んだり、パソコンゲームをして過ごしてきた。
かれこれ30年になる。家族と顔を合わせることはめったにない。
食事は母親が作り自分の部屋の前まで運ばせて、自分一人で食べている。
この方のお父さんは、自分たちが亡くなったあと、その子が生きていけないのではないかと大変心配しておられた。
そのことを子どもにもろにぶっつけていくので絶えず喧嘩になる。


また絵描きになりたいと言った時、父親は息子が今まで描きためていた絵画を勝手にすべて焼却した。
美術大学に進学することが許せなかったのである。絵描きでは食っていけないと決めつけていたのだ。

有名大学に入り、一流の企業に就職して、人がうらやむような人生をおくることが親の務めだと思っていた。
息子と父親が第三者に会った時、息子に質問されたことにもいちいち父親が口出しをしていた。
森田で言う「かくあるべし」で子どもを教育してきたのである。
親の是非善悪の価値判断を子どもに押し付ける教育である。
非難、説教、命令、指示、禁止、叱責のオンパレードである。
反対に息子の味方になる、存在を認める、ほめるということはしない。
だからいつまでも自分に自信が持てない。いつも父親の顔色をうかがう。
そのつけが息子の長い長い引きこもりに影響を与えていたようである。

ドラマの最後には、「お前の人生をめちゃくちゃにしてきたのは私だった。申し訳なかった」と父親が息子に謝っていた。

そうしないと倒れて怪我をするのではないかと思っていたのだ。
でもある時手を離した時、息子はすいすいと自転車を乗り回していた。
何もしないで見守っているだけでよかったのだ。
それなのに父親は息子のすることなすことが気になって、何かにつけて口出ししてきた。
今になって思えば、ガミガミと口出ししないで、見守っているだけにすれば良かった。としみじみと語っていた。


ついでに私ももらい泣きしてしまった。

それから息子は絵を描きはじめた。
両親から離れて一人で暮らすことにしたようでした。
多分アルバイトでも始めるのだと思います。

森田理論を思い出させるようなよいドラマでした。
本日夜0時10分から再放送があるみたいです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.01.17 10:38:28
コメント(0) | コメントを書く
[「かくあるべし」の発生] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

メダカを飼っています New! 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: