森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.07.02
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集談会で苦しんでいる人にどう援助していくか。どうかかわってゆけばよいのか。難しい問題です。


その前提として、最終的に神経症を克服していくのは悩んでいる本人です。
考え方の誤りや行動の誤りを自分で気づいていく。発見していくのは本人です。
たとえて言えば、馬を水飲み場までは連れていくことはできますが、水を飲むのか飲まないかは本人次第です。
ですから私たちの役目としては、その人の気づきを促していく。
きっかけ作りをしてあげることだと思います。
そのためにはいろんな手法があります。数多くの刺激を提供してあげる。
できることはこれだけです。またそれ以上のことをしてはならないと思います。


一週間の臥褥ののち、生活に必要な身の回りの作業させていた。
作業の中で気がついたことをその場で指摘されていた。
そして夜になると日記を書かせていた。
その中から考え方の誤りや行動の誤りを指導されていた。
実際の作業や行動の中で、神経症克服のための物の見方、考え方、実践の仕方を教えられた。
入院生は40日ぐらいの入院生活の中で、考え方の誤りに気がつき、神経質者の本来の生き方を身につけていった。

今はネット時代です。それを利用しての援助が考えられます。
つまり普段の生活ぶりや実践・行動ぶりをメールで送り、相談者に折り返しコメントをつけてもらう方法です。コメントの中に、気づきや発見があれば神経症の克服に役立ちます。
ただ、顔が見えない分注意が必要です。
事前に1回は直接面談していないと、感情面のトラブルが発生する可能性があります。

いま私たちが行っているセルプヘルプ活動ではどうか。

これは癒し効果があると思います。
同じような苦しみを持ちながら生活している仲間を目のあたりにすることができます。
また、どん底から這い出して、社会適応力を身に付けた人も目にすることができます。
これも大切な気づき、発見ですね。
交流が進めば、それが後ろ盾となって神経症の改善に役立ちます。


学習の要点を読んだり、その他森田関連の図書も読みます。そして意見交換したり議論します。
また他の人の体験談を聞いたりします。森田理論に詳しい人の講話も聞きます。
これによって、自己洞察を深めていくきっかけ作りをしているのです。

ですから、それらの活動から、気づく力、発見する力があるかどうかはとても重要です。
効果を上げるためには、学んだことを、自分にあてはめて考えてみること。
自分の場合はどうなのか、自分としてはどうしたらよいのか。
絶えず自分と向き合いながら学習に取り組むことが重要です。
そのためには学習内容、講話内容をノートに整理してみる。
そして自分に引き寄せて考えてみる。考えたことをみんなの前で発表してみることです。
このようにして相互学習を積み重ねていく。そういう人はどんどんよくなります。
症状の克服だけにとどまらず、人生の指針も合わせて獲得することができるでしょう。

私たちはそういう人たちに対して、コーチ、伴走者としての役目があると思うのです。
自分の掴んだ森田理論を人に強制することは本意ではありません。
それは闇夜に鉄砲を放つようなものです。努力は水の泡に帰してしまいます。
指示的助言をする場合は、相手が困り果てて救いを求めてきたときは、大きな効果が期待できます。
その時だけに限ることだと思います。
私たちのできることは、気づきや発見を促すための機会をより多く作ること。
そしてその中身を充実させていくことです。今一番気になっているのは、学習内容です。
考え方の誤り、認識の誤り、認知の誤りの部分です。
これにはべックの認知療法。エリスの論理療法を取り入れることを考えています。
また森田理論の理論化を進めて分かりやすい学習内容にすること。
以上2点は森田理論学習を進めていく上で、早急に手をつけるところだと思います。
この2点を補強することで森田理論はかなり強固なものとなります。
他の心理療法に比べて引けをとらなくなると考えています。
そういう共通認識を育てること。そうすれば、苦しみにとらわれている人に、気づき、発見する選択肢が増えることになると考えているのです。





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Last updated  2015.07.02 06:48:46
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