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誰でも就職した当時は早く仕事を覚えて一人前になりたいと思っています。しかしある程度仕事に慣れてくると仕事に対する意欲が減退してくる。上司からもっと真剣に仕事に取り組みなさいと叱咤激励されても馬耳東風になってしまう。一時的に意欲的になっても、継続することは難しい。仕事は必要悪と考えてイヤイヤしぶしぶ仕方なしに取り組むことが多い。会社勤めをしている人は1日の大半は仕事をしているわけですが、苦痛でたまらないというのは問題だと思います。やる気がない仕事ぶりは、心身ともにストレスを招いて自分自身を苦しめていきます。楽しく仕事に取り組むためにはどうすればよいのでしょうか。この問題に対して森田先生は、「ものそのものになってみよ、天地万物すべて我がもの」といわれています。仕事をしているときに、問題やトラブルが発生して、つい時間の経つのを忘れて、一心不乱に取り組んでいたという経験は誰にもあると思います。仕事を楽しくする方法はここにヒントが隠されているように思います。森田では取り組んでいる仕事をよく観察しなさいと言います。仕事を観察していると、気づき、疑問、発見、課題、問題点、改良点、改善点が見えてきます。新たな興味や関心が生まれてくることもあります。これを宝物として取り扱うことが大事になります。忘れないとようにメモしておくことが大事です。これを基にして仕事に取り組むようにするのです。他人から指示されなくても、自然に体が動いてきます。そして意欲、やる気、情熱、モチュベーションが高まります。弾みがついて新たな気づき、疑問、発見、課題、問題点が見えてきます。新たな目標に向かう足がかりができてきます。この好循環を作り上げることが肝心だと思います。この好循環の流れに乗ると、仕事をすることが楽しくなります。仕事をするにあたっては、最初気が進まなくても一向にかまわない。他人から、指示、命令、脅迫されての行動でも全く問題はないのです。これは森田でいうと「お使い根性」の仕事です。むしろそれが普通である。でもそれがいつまでも続くと耐えがたい苦痛になる。そして、マンネリに陥り、苦痛を感じる力が鈍化してくると惰性で仕事をすることになってしまいます。それに歯止めをかけるためには、森田先生の言う「ものそのものなりきってみる」態度が欠かせないのです。
2024.07.03
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集談会で自己中心性を打破するために「人の為に尽くす」を実践すればよいと聞いたことがあります。ここでいう自己中心という言葉は、一般的には自分勝手な人のことを指します。森田では、注意や意識が外向きにならずにどんどん内向化してくるということだと言われています。その2つの自己中心性を打破するために、「人の為に尽くす」という手法を利用しているように思われます。「森田理論学習の実際」には次のように説明されています。人のためにつくす(自己中心性の打破)「人のためにつくす」というと、非常に大げさに考えて、「何か人のために役に立つことをしないといけない」と考えがちですが、このように大きく構えると、それがまたとらわれともなります。従って大げさに考えず、人の立場、気持ちを考えながら行動する、つまり人に迷惑をかけないように行動する、というように考えればよいと思います。・・・このようなことを心がけて行動すれば、自分にばかり向いていた注意が次第に外へ向かうようになります。また主観的なものの考え方、見かたから、客観的な見かた考えかたができるようになります。ここでは人に迷惑をかけないように行動を制御することが「人のためにつくす」ことであると説明されています。集談会で改めて議論してみました。様々な意見が出ました。・「人」と「為」をくっつけると「偽」(にせもの)という字になる。・「人の為に尽くす」という言葉は、裏になにか魂胆があるような雰囲気がある。・「小さな親切、大きなお世話」という言葉に近い。相手の求めているものでないものを押し付けるようなことになりやすい。・王貞治氏は「チーム為に仕事をしているのではない。自分のために仕事をしているのだ」と言われている。・「人の為に尽くす」は自己犠牲の上に成り立っているのではないか。・「自分のために尽くす」が先で、その結果として「人の為になっている」という順序が逆になるとまずいのではないか。・「人の為に尽くす」を「自分の為に尽くす」ことの延長線上で考えられないか。・森田先生は「人のために尽くせ」とは言われていないと思う。他人からどんなに少々悪く思われ、間抜けと見下げられても、人を気軽く便利に、幸せにするように心がけた方がよいと言われている。つまり人の役に立つ人間になれと言われていると思う。・「人の為に尽くす」という言葉は本音からでた言葉ではないので、真剣になれないし長続きがしない。以上の点を踏まえて、料理を提供する仕事で「人の為に尽くす」ということはどういうことかを考えてみました。・値段以下のまずい料理を提供しているとリピート客はまず来ないでしょう。・値段に見合った料理だけでは、また来店してくれるかどうか心もとない。仕事は生活費を獲得するために避けて通れないものという考え方に固執していると、仕事は大変つらいものになります。それどころか客足が遠のいてきます。・おいしい、安い、早い、店内の掃除が行き届いている、接客態度がよかった、交通の便がよい場合は、また来店してくれる可能性があります。・こんなおいしい料理を食べたのは初めてだという場合は、ぜひまた来店したいと思うでしょう。そのお店のことは友達に知らせたくなります。口コミで評判になります。家族も連れて行きたくなります。店は繁盛店になります。お客様を感動させてみたいという目標を持って仕事をすれば、仕事はとても楽しいものやりがいのあるものに変わっていきます。これは「人の為に尽くす」という行動ではなく、自分の目標や目的を貪欲に追い求めています。その気持ちが相手に伝わり、相手を感動させ、相手から感謝されている。人の為に尽くすという言葉をこのように考えてはいかがでしょうか。
2024.07.02
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気分変調性障害の人は、抑うつ状態がいつも付きまとっているような状態です。天気でいえば、いつも曇天か雨が降っている状態だと思います。なんとか日が差すような状態に持っていきたいものです。私の取り組みをいくつかご紹介します。・口を開けて唇の端を押し上げる。口角を上げて笑顔を作る。それを鏡で確認する。顔を洗ったり、歯みがきの時は必ず行う。また私のパソコンの前には犬が笑っている写真と孫の赤ちゃんの時の写真が飾ってあります。その写真に向かって笑顔を作るようにしています。ある人から聞いたのですが、鉛筆を横向きに咥えると自然と笑顔になるということでした。これは森田でいうところの「形から入る」ということだと思います。形を整えていくと、心が変わってくるということだと思います。・日記を書いている方は、1日を振り返って「よかったこと」を最低一つは書くようにする。次に「うれしかったこと。感動したこと」を一つは書くようにする。それから、「感謝したいこと」も一つは書くようにする。大きなことでなくても、小さいことの中から見つけるようにする。これを3ヶ月続けるようにする。その後検証してみる。・規則正しい生活習慣を作る。同じ時間に同じことをする。ルーティンワークを作り上げる。何も考えることなく体がすっと動いてくるようにする。抑うつが入り込んでくるのは、弛緩状態で暇な時間ができたときだと思われます。これも3ヶ月くらいで習慣化されます。・セロトニン神経を鍛える。セロトニンは抑うつを遠ざける働きがあります。これは2022年2月13日の投稿記事をご覧ください。朝日を浴びる。ウォーキングを心がける。リズム運動を行う。トリプトファンを含む食品をとる。などいろいろとあります。普段の生活の中でセロトニン神経系を鍛えていきましょう。抑うつを吹き飛ばす方法はこれ以外にもたくさんあると思います。集談会などで出し合って、よいものに挑戦していきましょう。
2024.07.01
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