森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.07.09
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カウンセリングを受ける人は当然ながら心の問題を抱えている人である。
カウンセリングを受けるとは、心の苦しみや葛藤を改善することである。

カウンセラーのところに行くと、まずクライエントの状況を把握するために受理面接がある。
場合によっては知能・発達検査、性格検査、投影法による無意識に抑圧されている欲求・葛藤・行動の傾向・思考様式などの検査もある。家族に面接することもある。
クライエントの現病歴、主訴などがきちんと把握できると本格的なカウンセリングに入る。

カウンセリングはカウンセラーから心の悩みを直接取り除いてもらうと思っているとあてが外れる。
本来のカウンセリングとは、カウンセリグを受けることで、自分の考え方の片寄りや誤り等に自らが気づき発見することにある。
カウンセラーから「あなたの考え方の片寄りや誤りはこんなところにあります。」と指摘してもらうことではない。
自分で気づき発見できるというところがポイントである。

問題解決のために半分は乗り越えたようなものである。

そうなればカウンセラーは、その人にあった心理療法をいくつか紹介して、指導して推移を見守るという流れになる。
この時点で、森田療法、認知行動療法、論理療法、交流分析、内観療法、家族療法、ロゴセラピー等約30もの心理療法が用意されている。

あくまでも基本はカウンセラーから「あなたが心の問題で苦しんでいるのは、こんな考え方の片寄りや誤りがありますよ」と指摘してもらうことではないのである。
クライエント自らが気づき発見できるヒントを与えてもらうのである。
たとえ人から答えを与えられて、納得して理解したところで、改善のための行動への動機づけとしては心もとない。成果は上がりにくいのである。

すぐに自分の考え方の誤りや偏りを指摘してくれるカウンセラーは素晴らしいように見えますが、それはやり手のカウンセラーに見えるだけで、本当の意味でクライエントの味方になってくれるカウンセラーではない。
「ずばりあなたの心の苦しみや葛藤の原因は、こんな物の見方の片寄りや誤りにあります」と診断を下すようなカウンセラーは敬遠した方がよい。
クライエントが自分で発見する楽しみを奪ってしまっているのである。
クライエントの気づきや発見を見きわめ、気長に待ち続けてくれるカウンセラーが好ましい。

とはいえ、カウンセラーは、話し合いの中でクライエントの「物の見方の片寄りや誤り」はある程度分かっていることが必要です。


ただ単にクライアントとの悩みを共感的受容の気持ちで聞いているだけということになってしまう。
それでは親切な世話好きな人に愚痴を吐き出して気持ちが少しだけ楽になるだけにすぎない。
カウンセリングはそういうことはラポートの形成といって大切にしているが、手段であって決して目標ではないのである。
だからカウンセラーは学習と経験が必要なのです。

そういう意味では、森田先生は一流カウンセラーの側面を持っておられました。


そして作業療法が本格的なカウンセリングにあたります。
面と向かって話し合いはされていませんがカウンセリングの精神が宿っています。
森田先生は作業療法の意味についてはことさら説明されていません。
また神経症が治るということをこんこんと説明されていることはありません。
でも作業をする中でほとんどの入院生が神経症を克服するコツを掴んでいったのです。
たとえばマキ割の最中に忽然と森田理論の真髄を掴んだ入院生がいました。
これはカウンセリング理論に照らし合わせてもすごいことだと思います。
そのエッセンスは私たちが日々学習している森田理論学習に引き継がれているのです。
そして入院生が退院して行ったあと、形外会等では神経症の克服のための理論的側面を具体的に説明されているのです。
つまり体得が先で、森田理論の理解は後付けだったわけです。





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Last updated  2016.07.09 08:41:54
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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