神経症を克服した人は、次の 2 つの点で、以前とは大きく変化していると感じている。
1 つ目は、何かにつけて好奇心旺盛になっているということです。
例えば食品スーパーに行ってもいろんな商品が気になる。
ダイソーに行ってもいろんな商品を見て回るのが楽しみになる。
本屋に行ってもいろんなジャンルの本を見て回る。
とにかく注意や意識が外向きになって、興味や関心はいろんな方面に向いていくようになる。
何かにつけてそういう傾向が強くなるので、好奇心が強くない人と行動していると、相手はイライラするようである。
いろんな方面に興味や関心が出てくると気づきや発見が格段に増えてくる。
すると、欲望が発生してくる。創意工夫が色々と次から次へと生まれてくる。
ひとつの悩みに翻弄されて精神交互作用によって神経症固着の途に突き進むということは回避することができる。
もう一つは、今まで相手に対して自分の「かくあるべし」から口走っていた言葉が少なくなる。相手に自分の考えを押し付けなくなる。
相手を自分の意のままにコントロールしようという発言はなくなる。
批判、説教、命令、指示、禁止、叱責、怒りなどの発言が少なくなる。
そして目の前の問題ある事実を正確に述べるだけに留まるようになる。
それ以上の自分の「かくあるべし」という気持ちは付け加えなくなる。
自分が言った事実に対して、それを相手がどう受け取ろうがそれは相手の自由であるという気持ちになる。
相手は事実を正確に言われ、自分を意のままにコントロールしようとしていないことが分かると、自分はその事実にどう向き合おうかと考えるようになる。
たとえば、妻が焼き魚を真っ黒に焦がしてしまったとする。
夫婦の力関係で夫が強い場合は、「お前はなんて料理が下手なのだ。こんなもの食べられるわけがないだろう」と叱り飛ばすだろうと思います。
妻は立場がありません。夫婦の人間関係は一挙に悪くなります。
これは「かくあるべし」で相手を意のままにコントロールしようとしているのです。
森田の事実本位の態度が身についてくると、「見事に焦げちゃったね」と目にした事実だけを口にするだけになります。それ以上の自分の気持ちは何も付け加えません。この場合は夫と妻が支配、被支配の関係にはなりません。
事実の指摘を受けて、妻は「ごめん。今度は気をつけるから許して」あるいは「まだあるから焼き直そうか」などの言葉が出てくるようになります。
このような関係は、縦の支配・被支配の人間関係から、お互いを尊重し合う温かい横の人間関係に変化してきたと言えると思います。
神経症が治るということ その3 2025.11.04
神経症が治るということ その2 2025.11.03
神経症が治るということ その1 2025.11.02
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