森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.01.29
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森田先生のお話です。
神経質には「全治した」と言っても「本当に治ったのだろうか、また再発することはないか」という風に心配する。
10の症状が、8つよくなっても、残りの2つをいい立てて、治らないと主張し、決してその治った方を喜ぶという事しないのがその特徴である。
これが着眼点が変わって、心機一転の状態になると、ひとつの症状がよくなれば、その一つを喜び、 2つ治れば、その2つを喜ぶと言う風になって、日ならずして全治するようになるのである。
(森田全集第5巻 380ページより引用)

これは森田理論の修養が進んでいないと、森田先生の言われてる意味がよく分からないのではないかと思う。
不安と格闘しなくなり、目の前の家事や仕事に注意や意識が向くようになれば、第一段階の神経症か治るという目的は達成されます。
これは森田先生によると、小学校卒業程度の治り方だと言われています。
普通はそこで森田理論はよくわかったと判断して、森田から離れていってしまう人が後をたちません。

しかし、ガンになる様な人は、転移して他の箇所で、再発という不安があります。
神経症で言えば、 、実践や行動ができるようになっても、神経質性格は変わっていないわけですから、生活していても何かに怯えて、重苦しい気分は払拭できていない場合があります。

実際に行動できるようになった人は、次はこの部分に焦点をあてて修養していく必要があるのです。
森田では「かくあるべし」という考え方を改めて、事実にしっかりと足をついた生き方を身につける必要があると言っています。森田先生はこれを「思想の矛盾の打破」として説明されています。
そういう点から考えてみると、10の症状のうち8つがよくなっても、治らない2つのことにこだわっている人は、 「かくあるべし」的思考態度が依然として続いているのです。
そういう態度は、現実や現状を否定しているのです。あるいは、自分や他人をいつも否定しているのです。現実を踏まえて、そこから症状克服に取り組もうという態度ではありません。
上から下目線で自分の症状を見つめているのです。
全部すっきりと治っていない自分を否定しているのです。
発想がもともと間違っているわけですから、神経症が完治するということはありません。

神経症がひとつよくなれば、その一つを喜び、 2つよくなれば、その2つを喜ぶという人は、現実や現状を踏まえて、神経症克服に取り組んでいる人です。
そういう人は下から少し上に視線を向けて、一歩一歩階段を上っているような人です。

事実唯真の立場に立っていますので、どんなに大きな問題を抱えていても、常に事実に寄り添って生活できています。そこには葛藤や苦しみはありません。
この思想の矛盾の打破は、森田先生によると、中学卒業程度(旧制中学ですから、今で言うと、高校卒業程度です)であると言われています。
大変大きなハードルではありますが、森田理論学習を深めることによって、達成できることです。
神経質性格を持ち、神経症でのたうち回った経験を持っている人は、ぜひとも中学卒業程度の学習は続けていただきたいと思っています。





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Last updated  2018.01.29 06:30:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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