森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.03.21
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脳神経外科医の林成之氏のお話です。

何かを「好き」と感じること、好きになることは思考や記憶など中枢的な脳の働きの一つの有力な起点となるのです。
一般的にいっても、「好き」は興味の始まり、学びの起点となる大切なものです。
ですから教育においては、子どもたちの「好き」を親や先生が絶対に妨害しないことが大切なのです。

そこで思い出すのは、私の小学校時代の担任のことです。
その先生は私たち生徒に「勉強しろ」と強制することは一度もなく、子供の学ぶ力を自然に引き出し、その能力を楽しく伸ばすことをしてくれました。

たとえば私が授業中に窓の外を見ている。
先生が「林、何をよそ見している」と叱る。
私が「鉄道を通っている汽車をみていました」と答える。
すると、先生は「よし。それじゃ午後から、全員であの鉄橋までの距離がどれぐらいか測りに行こう」などと言いだすのです。


あるいは、「今日はみんな、夕ご飯を食べたら、もう1回教室へ集合だ」と呼びかけ、夕方遅く集まってきた子供たちに本を読んで聞かせたりする。

夏休みにはクラス全員を近隣のお寺まで一泊旅行に連れて行ってくれました。
暗いお堂の中でみんなと枕を並べながら、先生の話を聞くのがどんなに楽しかったことか。

とにかく、そうした(奇想天外な)先生のアイデアやプランに子どもたちはいつもワクワクさせられて、学校に行くのが楽しくて仕方がありませんでした。
先生は遊びだけではなく、学びの方もしっかりと生徒に教えてくれました。
わずか22~23人のクラスでしたが、大学に行くだけで大騒ぎになるような小さな田舎の町で、その一つのクラスから大学進学者が5人も出、そのうち2人は大学教授になったのです。

それは、その先生が子供が興味をもつことなら、勉強とは無関係なことでも邪魔することなく、むしろ、それを起点にして勉強も好きになるように仕向けてくれ、学ぶ方向へと導いてくれたからにほかなりません。

小学校の先生は、決して子どもの「好き」の芽を汚いとかあぶないといった基準で摘まんだりしませんでした。
そういう先生を子どもたちは当然好きになります。
先生を好きになれば、その先生の言うことや教えることにも興味を持ちます。
その結果、学ぶこと、考えることが好きになる。

それが何であれ、 何かを好きになることが栄養物となって脳を活性化し、思考力や記憶力を高めて私たちの頭をよくしてくれるのです。
(望みをかなえる脳 林成之 サンマーク出版 194ページより引用)





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Last updated  2024.04.07 22:52:57
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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