森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.04.09
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
1月号の生活の発見誌から、長谷川洋三氏の話です。

浅香光代さんは、最近、浅草に自分で、70~80人の観客に見てもらえる小さな劇場を造ったそうです。下火になった浅草の人気の挽回に少しでも役に立ちたい、ファンと一緒になって大衆演劇を続けていきたい、という念願からだとのことですが、それを話しながら「私はいつも、つぎからつぎに、何か新しい目標を追っています」と言ったのです。

なにげなく、出たことばでしたが、私は感じ入りました。
新しい課題に挑戦するということは、単に神経質のとらわれから自分を解放するカギであるばかりではなく、人間の普遍的な生き方の根本的な条件なのですね。

神経質症を契機に、森田理論を学習して、こうした生き方を体得すれば、そのまま、その後の人生を有意義に生きることができるのです。

常に新しい課題に挑戦していくような生き方をすれば、神経質症のとらわれから自分を解放できるし、また、それを予防することもできるということですね。

森田でいう「生の欲望の発揮」のことですね。
古閑義之先生は、「生の欲望の提唱は、森田先生が晩年において強く主張された重大な事項で、この生の欲望の提唱こそ、森田の神経症解明の根本理論であるあると主張してやまない」と言われています。

人間は問題点や課題に向かって、自分の能力を存分に発揮して生きることを宿命づけられた生き物だと思います。


人間本来の生き方をするためには、一つ条件があるように思っています。
「かくあるべし」という観念優先の態度を、事実本位の態度に転換することです。観念優先になると、事実を否定することに多くのエネルギーを使うことになります。
それでは、「生の欲望の発揮」のスタートラインに立てることが難しくなります。生の欲望の出発点に立つということは、あるがままの事実を素直に受け入れることが必須になります。
事実本位の立場に立つと、初めて生の欲望を目指す権利が付与されるのです。
そのように意識して取り組まないと、すぐに楽な方向に流されてしまいます。
今まで神経症で苦しんできた人も、事実本位の態度に転換することで、逆転人生への幕が切って降ろされるということになります。

私は森田理論学習を続けて、神経症的な不安は欲望の裏返しとして湧き上がってくるということが分かりました。
そして観念で現実や事実を否定すると、葛藤や苦悩でのたうち回ることも分かりました。さらに課題や目標から目を離さないで生活していくことが肝心であるということも理解できました。
この3つは森田理論の核心部分のような気がしています。
神経症に陥ったおかげで普遍的な真理に出会えたことは望外な喜びとなりました。





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Last updated  2022.04.09 06:31:24
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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