森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.04.27
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私が尊敬している森田理論に詳しい生活の発見会の山中和己氏のお話です。

神経質のとらわれは「あってはならないもの。努力と工夫さえすれば、なくすることができるもの」と、かつてのわたしは、単純にそう思い込んでいた。

その意識が大きく変化した。

たとえば、対人恐怖についていえば、「なおるとか・なおらないとか」いうことには、さほどつよい関心がなくなった。
いわば対人恐怖の「ある・なし」が、いちおう問題外となっていたようである。
たしかにふしぎな展開だ。いつのまにか、ものの見方・考え方の観点(座標軸)が、どこかちがっていた。
(そのままのあなたですべてよし 山中和己 生活の発見会 202~203ページ)

山中先生は啓心会の時から森田に関わり学習経験が長くて多い。
その講話は明快で分かりやすい。歯切れがよく説得力がある。


その先生が、信じられないことだが、講話の素人だといわれている。
講話は「やむをえず・しかたなく・おっくうのまま」行っている。

心掛けておられることは次の2点だという。

1、自分の感じたことを自由自在に遠慮なく話している。

2、いちいち自分で自分を評価することはしていない。
是非善悪の自己評価をしていない。自分の評価は他人が勝手にするもの。
いいもわるいも最終判断は、人にまかせておけばよい。
まかせるよりほかに方法がない。

我々とは発想や着眼点が180度違うようである。
対人恐怖の人は、相手が自分をどう取り扱ったかに意識や注意を集中している。
無視、軽視、からかい、批判、否定されるようなことはあってはならないと思っている。つまり専守防衛にエネルギーの大半を投入している。

山中先生の話では、そういう気持ちはほとんどないことが分かる。

自分の経験や考え方や生活を優先されている。
自分の感情、気持ち、欲求を大切にされている。
それを前面に押し出して、のびのびと自由人として発言されているようです。
これは、人の思惑が気にならないように人格改造を行うという気持ちが、いつの間にかどんどん縮小してきたということだと思う。

つまり、自分の感情、気持ち、欲求を最優先する自分中心の態度のことです。

人の思惑が気になるという性格傾向は変わっていないわけですが、自分を前面に打ち出すという行動をとることで、バランスのとれた人間に変身できるということではないでしょうか。
森田理論で神経症が治るというのは、人の思惑が気になるという性格傾向がなくなることではありません。
その傾向は命が尽きるまで続きます。

それにかかわるよりは、他人の役に立つことを探して実行する。
それを優先して、自分の症状のことはそれが終わった後で考えようという気持ちで、仕事や生活に取り組む。
そういう気持ちで生活していると、側から見ると、とてもバランスのよい人間に生まれ変わったように見えてくる。
自分としても、目の前のなすべきことに注意や意識を向けることが多くなり、対人緊張で振り回されることが格段に少なくなっていく。
対人恐怖症が治るというのはこういうイメージになると思います。





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Last updated  2022.04.27 06:30:55
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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