森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.08.30
XML
この言葉を森田理論学習の中で聞かれた人もいらっしゃると思います。
含蓄のある言葉のようですが、今一つその内容が分からない。

これは行動の原則の「はじめての行動には不安はつきもの」というところに出てくる言葉です。不安があるから初めての行動には極めて慎重になる。
不安が湧き上がらないと、猪突猛進、軽率な行動となり失敗の可能性が高まる。
不安を活用して、慎重に行動すれば成功確率が高まるということです。
不安はそういう重要な役割を果しているというわけです。
ただし神経症に陥ると不安をなくすることばかりを考えて蟻地獄に陥るのです。

私は不安というのは 現実的な不安と神経症的な不安をきちんと分ける ことが大切だと思います。

たとえば地震、体の異常、経済的なリスクなどです。

神経症的な不安は欲望の裏返しとして湧き上がってくるので、不安の解消ばかりに専念してはならない。
不安よりも、その裏側にある欲望に焦点をあてて生活する方がよいと言われています。つまり欲望と不安のバランスを意識した生活を心掛けることが肝心です。

我々は、現実的な不安には手を付けないでそのまま放置してしまう傾向がある。
反対に神経症的な不安に対して、生の欲望の発揮が蚊帳の外になり、不安の解消に向けて莫大なエネルギーと時間とお金を惜しみなく投入している。
やることなすことがまるっきり反対になっているということが問題です。
まずここを押えることが大事になると思います。
神経症の場合は、バランスが大きく崩れているので、生の欲望の発揮に全精力をつぎ込むという態度が求められているのだと思います。
そういう態度で生活していると、不安と欲望のバランスが取れてきます。





その手始めとして、日常茶飯事に丁寧に取り組むということが肝心です。
雑仕事や雑事に精魂込めて生活する。凡事徹底です。


欲望に火が付くと、そのうち弾みがついて暴走してしまうということです。
欲望、本能を野放しに放置しておくことは、争いや禍をもたらします。

車にはアクセルとブレーキがついています。
アクセルを欲望とするとブレーキは不安の役割を果しています。
アクセルを踏み込まないと車は動きません。

欲望を前面に押し出しながら、不安を活用して、欲望が暴走しないように気を付けることが肝心です。
欲望と不安は天秤と同じです。同じ重さのものをのせてバランスを維持しないと、バランスが崩れて、存在することさえ許されないということになります。

この理論が理解できたらいよいよ自分の生活の中で実践・活用することが肝心です。
その結果を集談会で発表して、他の人から感想やアドバイスをもらうようにすれば、その人はどんどん伸びていきます。
理解することに留まっていたとすれば、物事の完成度から言えば半分以下だと思います。どんなに小さなことでも、理論を実際に検証していけば、その人はどんどん成長し、神経質者の人生観の獲得にまで到達してしまうのです。
私はそういう人を何人も知っていますが、そういう人は素晴らしいオーラを発しています。
それが森田理論学習と集談会活動で自分のものになるのですからこえられません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022.08.30 09:07:04
コメント(0) | コメントを書く
[不安の特徴と役割、欲望と不安の関係] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: