森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.09.24
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森田理論は、最終的には生の欲望を発揮していくことが重要だと説明されています。

神経症的な不安は、その裏側に欲望が隠れている。
不安ばかりに関わり合うのではなく、自分の欲望を再認識して、生の欲望を活性化していく。その方向に向かって歩みだしたとき、神経症はどんどん縮小していく。
それは不安と欲望のバランスがとれてきたからだと思います。

これに対して、篠田桃紅氏は 欲望の抑制力 が大切だといわれています。
人間の欲望には果てしがない。
人間は何かを得れば、その先のものを得たいと、永遠に欲が止まらないようにできている。あまりに欲望を満たそうとすると、周りが非常に困るし、最後は自分自身も欲望の虜になってしまう。
食は飢えぬほど、家も雨が漏らぬ程度、立派なものを建てようとするから、欲望は限りなくなる。

生きている以上、そうした欲望の虜になって暮らしてもしようがない。
欲望というものとどういうふうにうまく付き合っていくか。
人間の歴史への問いかもしれませんね。

森田理論学習の中では、自動車のアクセルとブレーキの関係で説明されるところですね。自動車がいったん動き出したら、周囲の状況に応じて、ブレーキを活用することが欠かせません。

人間にはもともと精神拮抗作用が備わっています。
これは欲望の暴走を抑制する仕組みが完備されているということです。
しかし欲望に弾みがついてしまうと、容易に暴走してしまうのです。
一旦暴走を始めたものを止めることは至難の業です。

脳の仕組みでいうと、ドパミン主導の報酬系神経回路が暴走してしまうことになります。
これを抑制するのは、セロトニン神経系を活性化することが欠かせません。
これについては、最新の脳科学で紹介しました。


篠田桃紅氏は、次のように説明されている。
持っているものに感謝すればいいのに、持っているものは当然で、無いものを欲しがる。賢い人は、達観して無いものねだりをしないんだと思う。
自分はこの程度なんだと思って。
(これでおしまい 篠田桃紅 講談社 137ページ)

これは生活の中で応用できます。
何かを欲しくなった時、自分はそれと同等なものを持っていないか。


森田先生のお母さんは、森田先生が何かを欲しがった時、下の人を見なさい、下の人のことを考えなさいと諭されたそうです。
森田先生は安易に新しいものに飛びつくのではなく、そのものの存在価値を最後まで活かしきるという考え方でした。
生の欲望に邁進することができるようになったら、今度はそこから離れて制御能力を鍛えていかなければなりません。





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Last updated  2022.09.24 06:20:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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