森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.02.05
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臨床心理士の杉山崇さんのお話です。

人は「想定外」に弱い生き物です。
私たちの心は、周りが「想定通り」かどうかをモニタリングするために進化したと考えられています。
だから「想定外」に対しては、まずは拒絶反応を起こすのです。
(許す練習 杉山崇 あさ出版)

「想定外」というのは、このような最悪の事態が起きるとは考えていなかった。
森田でいう 予期不安 が全く湧いてこなかったということになります。
まさかこんなことがおきるなんて心外だ。ありえないという気持ちです。

あるいは茫然自失状態に陥ります。

昨年のハロウィンナイトでは、韓国で多くの人が亡くなりました。
警察ではまさかそんな事態になるとは想定できなかったと言われていました。
危機意識がなかったので、警備対策の立てようがなかったのです。

神経質な人は想定外のことに比較的よく気が付きます。
神経質者は高性能のレーダーを標準装備しているようなものだといわれます。
つまり小さな不安、恐怖、違和感、不快感などを普通の人よりもより多く、より強くキャッチします。
神経質性格者は、多かれ少なかれ「想定外」の事態を予測できる特徴を持っていると思います。

これは優れた能力だと思います。
神経質以外の人で欲しい人がいても簡単に手に入るものではありません。
我々は生まれながらその能力を持っているのです。


神経質の人が問題なのは、「想定外」のことに気づいても、逃げることを優先して、活用することをおろそかにしてしまうことです。

予期不安を宝の持ち腐れにしないためにはどんなことに取り組めばよいのか。
まず不安の中身を2つに分けることが大切になると思います。
不安には現実的な不安と神経症的な不安の2つがあります。

現実的な不安は不安の解消に向けて対策を立てて実行に移すことです。

妻子がいる人が生命の不安を感じたら生命保険、損害保険に加入する。
現実的な不安に対応すると、リスクの軽減につながります。

一方神経症的な不安への対応方法は180度違います。
森田理論で学習したように、神経症的な不安は欲望の反面として湧き上がっているものです。たとえば人から高く評価されたいと思っている人は、もし失敗したらどうしようという不安が同時に発生します。
この場合は、不安を取り除いてから、本来の目的に向かおうと考えてはなりません。不安を携えたまま課題や目標に取り組むことが大切になります。
そうすれば不安が行き過ぎを抑制してくれますのでバランスが取れてきます。

神経質性格の人は、予期不安に絶えず振り回されているわけですが、不安を2つに区分して、それぞれ対応を変えることが大事になります。





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Last updated  2023.02.05 06:47:30
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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