森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.09
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森田先生のお答えは明確です。

熱のある時や疲労した時、仕事を休むべきか、無理をしても仕事に行くべきかと問うてはいけない
強行軍のときには、ヘトヘトになってもついていかねばならぬし、大地震の時には、大熱があっても、飛び出さなくてはならないという風に、周囲の状況によって、決してあらかじめ公式を持って定めておくことはできない。

「くたぶれたときどうするか」ではない。
その時々の自分の境遇に対するものに対して、目をとめる。
私はこれを一般に、「見つめよ」といって教える。
そのうちに、自然に自分の身体の状態に適応した精神活動が起こってくるのである。(森田全集 第5巻 575ページ要旨引用)

熱が出た時や疲れがたまった時どのように対応すればよいのでしょうか。
森田先生のお話をもとにしてさらに考えてみたいと思います。


微熱から40度近くまで幅があります。
実際には何度あるのか体温計で測らないと分かりません。
また風邪でも一般的なものから、インフルエンザやおたふく風邪のように隔離が必要なものもあります。

疲れたといっても気分的なものから、過労や寝不足まで幅が広い。
栄養補給をして少し休憩をとれば回復できるものなのか。
あるいは完全休養や即入院が必要なほどの疲労なのか。
つまり熱がある・疲労しているといっても、ピンからキリまであるということです。その程度に応じて対応方法も違ってきます。
これを軽い順から重い順に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10段階あるとしましょう。
少し仮眠をとれば回復するような疲労は、1か2です。
コロナやインフルエンザで大熱が出て悪寒がするのは9か10です。

これとは別に、今現在自分が抱えている仕事等の事情があります。

あるいは土曜・日曜日に振り換え出勤すれば済むものもあります。
逆に自分が出勤して取り組まないと収拾がつきそうにない仕事もあります。
緊急の仕事もあります。チームの誰かが欠けると支障が出る仕事もあります。
仕事も軽い順から重い順に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10段階あるとしましょう。

対応方法は、その時その場で様々なケースが出てきます。

今の自分の身体の状況は1から10のどの段階に該当するのか。
次に自分のかかえている仕事の状況は1から10のどの段階に該当するのか。

例えば、熱や疲労具合が比較的軽微で(1~3くらい)、今日の仕事は少々の無理を押してでもやり通さなければならない(7~10)場合があります。
こういう場合は、会社に出勤した方がよいということになります。
逆に入院して絶対安静にしないと命にかかわるような大熱がある(7~10)、仕事は自分が休んでも滞るわけではない(1~3)という場合もあります。
こういう場合は、病院で診察してもらい、仕事は休んだ方がよいということになります。

この例は極端な場合です。
自分の心身の状態と、周囲の状況との関係は千差万別です。
この2つを踏まえて、その時その場で最も適切と思われる対応を選択して、行動に移していくことが肝心です。
森田では主観的事実に対して、客観的事実があるといいます。
両方を分析して判断する。折り合いをつけて妥協点を見つける作業が大切になるということだと思われます。
いずれかに偏り、他方のことをまったく考慮しないというのは片手落ちになり、後々問題が出てきますので要注意です。





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Last updated  2025.05.09 07:18:32
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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