森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.14
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精神科医でマインドフルネスに詳しい藤井英雄先生のお話です。

本やテレビを観ていて、そろそろ宿題をやろうかなと思っている矢先に、親から「早く宿題をやりなさい」と言われて、「今やろうと思っていたのに」とイヤな気分になったことはありませんでしたか。
たとえ自分がやろうと思っていたことでも、人にやるように指示されると、反発してしまいやる気を失います。

親が子どもにアドバイスを受け入れてもらえないのは、親が子どものあるべき姿を判断して、それを子どもに押し付けようとするからです。
これは先生と生徒、上司と部下、監督と選手、カウンセラーとクライアント、集談会での先輩会員と初心者の関係においても同じことが言えます。

相手の話を聞くときや相談にのるときにしてはいけないことが8つほどあります。
例えば勉強をする気が起きないという子どもに対して、
①指示をする・・・そろそろ本気を出さないと!
②脅迫する・・・浪人することになるよ。
③提案する・・・家庭教師を頼んでみる。
④激励する・・・あんたならきっとできるはずだ。
⑤質問する・・・どうしてやる気が出ないの。
⑥分析する・・・研究者になりたいという気持ちがあやふやなんじゃないの。
⑦叱責する・・・甘えたこと言っていないで勉強しなさい。
⑧話をはぐらかす・・・深刻に悩まないほうがいいよ。
(マインドフルネス「人間関係」の教科書 藤井英雄 Clover出版 132ページ)

こんな対応をされると、相談しないほうがよかったということになります。


話し手の言葉に耳を傾けて傾聴し、話し手を理解した時、聞き手は話し手を受容し共感できるでしょう。
すると、聴き手に受容され共感された話し手は批判、非難、アドバイスなしに話を聞いてもらえるという安心感と、話を聞いてくれる相手への信頼感をもとに話を続けることができます。
そしていつしか自分でも気づかなかった心の奥底、潜在意識の中に隠された気持ちに気づき(洞察)、癒しと解放が起こります。これが傾聴の効果です。

傾聴で大事なことは、自分がアドバイスや批判をしたくなっているという自分に気づき、のど元まで出かかったその危険なアドバイスや批判を飲み込んで傾聴を続けることができるかどうかです。
(同書 151ページ)

ロジャーズの来談者中心療法というのがあります。​
ロジャーズはセラピストとして必要な条件を3つ挙げている。

①患者を無条件に受け入れる姿勢で臨むこと(無条件の肯定的配慮)​

②患者の身になって感じ、それを伝えようとすること(共感的理解)

③自分の感じていることを自覚し、言動に矛盾がない事(自己一致)

(無意識の正体 山竹伸二 河出書房新社 174ページ)

集談会などの学習会でも、森田理論を教えてあげるという気持ちよりも、その前に相手のことをより深く理解したいという気持ちを持っておくことが大事になります。





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Last updated  2025.05.14 06:55:13
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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