森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.07.13
XML
森田先生は会話するときは、具体的であるということが大事になると言われている。

例えば小児に、電車通りで「気をつけよ」とかいえば、小児は、どうしてよいかわからないで、てんてこ舞いをする。
しかるに「前を見よ」とか、「こっちを向け」とかいえば、小児は電車なり・自動車なりに、目をとめて、自然に注意が緊張するようになる。
(森田全集 第5巻 585ページ)

具体的な指示が役に立つのは雷が近づいた時です。
伊丹仁朗先生はヨーロッパ最高峰モンブランに登られたときに、雷が横に走っていて、とても怖い思いをされたそうです。
私たちも大きな公園にいる時、海で釣りをしている時、ハイキングに出かけている時、大きな雷が鳴ると生きた心地がしなくなり、右往左往します。
そんな時に雷に気をつけろというアドバイスは何の役にも立ちません。
その時次のような具体的で明確な指示があるとすぐに行動することができます。
・すぐに建物や車の中に避難しなさい。
・避難場所がない時、姿勢を低くしてしゃがみなさい。

・釣竿や傘のようなものは自分の手もからできるだけ離して寝かせなさい。
・大きな木に寄り添うのは危ないから離れなさい。
・室内では窓際から離れなさい。

具体的という点では、三重野悌次郎氏が1995年2月号の生活の発見誌で次のように説明されています。
私はいつも失敗するという人に、「では最近の失敗がいつ、どのようなことがあったのか」と聞くとたいてい思い出せない。
事実は、何日か何か月前に一度仕事上の失敗があった。その前にもいくつか失敗をしている。
ということであって、その後は仕事の失敗も家庭での失敗もない。
でも本人は「私はいつも失敗をする」と信じている。

一般に「いつも」とか「みんな」とか、「絶対に」とかいうときは、「果たしてそうか」と自問する必要がある。
ある人は「みんな」の名人であった。「みんなそういっている」というのが口癖だった。
そこで誰が言ったのか聞くと、親戚の女の人が一人言っただけで、それに自分も賛成だと、みんなが言っていることになるのである。


具体的に話すということでは次の話が参考になります。
我々大人だと「新聞に水が滲みた」というところを、5歳の子どもはこんなふうに表現する。
「新聞に水が(1滴)たれたら、小さな水のお山ができて、(そこに写った)字が大きくなった。
だんだん水のお山が小さくなってきたら、今度は横に拡がっちゃった。
そうしたら、別(裏)の字も見えてきた」


このように説明されると、その時の状況がありありとイメージされます。
集談会の自己紹介では、自分の悩みを具体的に話せば、聞いている人も自分のことのように親身になって聞いてくれます。
具体的に話すというのは、心がけ次第で誰でもできるようになります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.07.13 06:41:25
コメントを書く
[観念重視から事実重視への転換] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: