森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.09.20
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森田先生は心身同一論という立場です。
精神的なストレスは身体面に影響を及ぼしますし、身体面の病気は精神状態に影響を与えます。
胃潰瘍になったとき、薬を飲んで一時的に改善しても、心の悩みやストレスへの対応を怠ればすぐに再発します。
根本的な治療としては、身体と心の両方面から対応しなければなりません。
森田先生の心身同一論は、「両面観」「精神拮抗作用」「主観的事実と客観的事実」の考え方につながっています。

神経症で悩んでいる人は「主観的事実」にとらわれている状態と言えます。
例えば、「失敗するかもしれないから挑戦しない」「ミスが怖いから積極的に行動できない」「不安だから行動できない」「完璧にできないならやらない」「やる気が起きないから何もしない」「身体がだるいので何もしない」などというのは、主観的事実だけを見つめています。

森田では「主観的事実」に対して、「客観的事実」というものがあります。
「客観的事実」は、実際に目の前で起こっていること、測定可能なデータ、他者から見て明らかな事実など、自己の内面とは切り離された外部の状況や結果を指します。


どんな感情が湧き上がってきたとしても、コントロールすることはできません。
コントロールできるのは「客観的事実」の方です。
「客観的事実」を無視した行動は、片肺飛行をしているようなものです。
例えば線状降水帯が発生して、避難指示が出ているにもかかわらず、いま眠くて動くのがいやだから、避難所に行きたくないと避難を拒否するとどうなるか。
警戒区域に指定されているところでは、山が崩れて大規模な土砂災害で命を落とす人が毎年何人もいます。

気分がいくら行動することを拒否しても、主観的事実だけに頼って行動することは問題です。
森田理論では神経症の人が主観的事実にとらわれ、それに基づいて行動を制限したり、回避することによって、かえって症状が悪化すると考えます。
不安や恐怖といった感情は、主観的には非常にリアルで強いものですが、それを「客観的事実」としてとらえ直すことで、感情に振りまわされない行動が可能になります。





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Last updated  2025.09.20 06:37:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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