森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.09.22
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あなたは「強迫観念」とは何ですかと聞かれたとき、どう説明していますか。
改めて聞かれると、即座に返答することはすこし難しい。
神経症で苦しんでいる人の場合は、暗黙の了解がありますからなんとなく分かります。世間一般の人に説明するのはハードルが高くなります。

ここで改めて、整理しておきましょう。
​強迫観念とは、自分の意思に反して、頭の中に繰り返し浮かんでくるネガティブな感情、恐怖、気分、思考、衝動的な欲望などのことです。
別の言葉で言えば、不安を取り除こうとはからい行為をしている時に発生する精神的葛藤のことです。
​​

不安、怯え、心配事、悲観的、憂うつ、恥ずかしさ、孤独感、怒り、腹立たしさ、イライラ、不平不満、欲求不満、劣等感、後悔、罪悪感、猜疑心、自己嫌悪、自己否定、無力感、嫉妬心など多岐にわたります。

それらが浮かんできただけでは強迫観念で苦しむことはありません。
普通の人は、「イヤだけど仕方ないよね」「そのうちなんとかなるだろう」といつまでも深刻に考えていないのです。
それよりも目の前の懸案事項を片づけることが優先事項だと思っている。

強迫観念で苦しむような人は、目の前のことには手を付けないで、自分に不利益をもたらしているネガティブな感情を何とかしようと考えて行動している。

本来の目的を忘れて、手段の自己目的化が起きているのです。

本人としては、ばかばかしいことを考えているという自覚があります。
しかしその不快な感情などに対してそのままにしておくことができないのです。
自分にとって余計なもの、不純物、敵対物、放っておくと将来害を及ぼすものと考えている。
そんなものが自分の体に取りついていることは到底容認できない。
だからすぐに取り除かなければならないものと考えている。
仮に取り除くことができなければ、逃げ回るしかない。

本人は意志の力で不快な感情や思考は、自由自在に取り消すことができると信じて疑わない。
しかし現実は最初は小さなとらわれだったものが、どんどん大きくなって自分の力では対応できないような化け物のようなものに変わってきている。
観念上の悪循環、実生活上の悪循環、人間関係の悪化で窮地に立たされている。

このパターンに陥らないためにどうするか。

不安対する考え方はそれぞれ大きく違います。
薬物療法、認知行動療法は直接不安を軽減させる療法です。
短期的には大変有効です。しかし対症療法ですからしばしば再発します。
森田療法は考え方、生き方を変えて、不安に振り回されない人生観の獲得を目指します。
どれを選ぶかはよく比較検討してください。

神経症の軽快後の生き方を身につけるためには、自助組織生活の発見会で仲間と共に森田理論を学習するのがよいと思います。





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Last updated  2025.09.22 06:32:31
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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