森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.11.28
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森田で「純な心」を学習すると、初一念、つまり最初に湧きあがってきた感情は素直な感情であり大事にしなければならないと学びます。

例えば、中学生くらいの女の子が連絡もしないで夜になっても帰ってこないと親はとても心配します。ところが無事に帰ってきた娘に対して、「親に心配をかけるのはいい加減にしろ」と叱りつけます。
その発言から親子関係は険悪になっていく場合があります。
この時、初一念を思い出して、「お父さんやお母さんは、とても心配で生きた心地はしなかったんだよ」と言えば、雨降って地が固まるではないですが、親子関係は良くなります。

では次のような場合はどうでしょうか。
やけに顔色が悪い人に対して、「あなた肝硬変や肝臓がんに罹っているかも知れませんよ。すぐに病院で検査を受けたらどうですか」という。
化粧の濃いい女性に対して、「あなたのけばけばしい化粧顔を見ていると、周りの人が不快になります」という。
医師が、物忘れが多くなった人に、「あなたは認知症ですね。車の免許は即刻返納しなければいけません」という。
仕事のノルマを果たせない人に、「あなたは会社のお荷物です。寄生虫のような人は即刻退職してもらわなければ会社が持ちませんよ」という。


その結果、父親は踏み込んできた警察官に検挙されたという話がありました。

たとえこれらは事実だったとしても、思ったことを素直に相手に伝えるのは如何なものでしょうか。
正直な発言を心がけるというのは、大事なことのように見えますが、その不用意な発言によって相手は大きく傷つきます。

森田先生は次のように言われています。
論語にこういうことがある。「葉公が孔子に語りて曰く。我党に、身の正直を立てるものがある。その父羊を盗みて、子がこれを訴え出たと。孔子の曰く。我党の正直者は、これに異なり、父は子のために隠し、子は父のために隠す。正直と言う事は、その内にあり」と言うことである。

人情が道徳であり、人生観であり、哲学であるのである。
子どもが親を訴え出ることができたら、その子どもは、低能か変質者かです。
(森田全集 第5巻 290ページ)

事実をごまかしたり、隠蔽することは考えものですが、相手がいる場合はそちらの気持ちをくんであげることが大事になります。
森田では自分の気持ちを第一優先にする「自分中心の生き方」をお勧めしています。
これは主観的事実を前面に出した生き方です。

これに対して客観的事実もあるといいます。

これを無視した言動は自己中心的になりやすく、人格に何らかの問題がある人と言えます。
森田では主観的事実と客観的事実がバッティングする時は、客観的事実に基づいて行動する方がうまく収まりますと言っています。

これは広島湾の磯釣りで友人が釣り上げたものです。
現在ブリがコノシロを追って回遊しているそうです。





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Last updated  2025.11.28 06:20:05
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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