FLOWER GARDEN 2

FLOWER GARDEN 2

2007.03.08
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私はベッドで膝を抱えて、ただ夜明けを待った。
やがて太陽が窓から差し込む頃、私はバッグを肩に掛け、ホテルを後にした。

結局、ジョージは帰って来なかった。
もうジョージは二度と私を許してなんかくれない……
侮蔑に満ちたあの碧い瞳は、もう二度と私に優しく微笑み掛けてくれることはない……

私は頬を伝う涙をぐいっと拭うと、手を翳し、太陽の輝きに目を細めた。

屋敷を出たあの時から決心していたはずなのに。
独りでアイルランドに戻ろうって……。
なのに、思いがけずジョージに出会って、別れを告げられないままずるずるとこんなところまで来てしまうなんて……。

私はタクシーに乗り込み、チューリッヒ国際空港へと行く先を告げた。

元の位置に戻っただけ。
エドから離れて、先生を忘れて、ジョージと別れて……
ただそれに、ジョージに軽蔑されるというオプションが付いただけ。

「Sie sehen blaß aus.(顔色が悪いですね)」

タクシーの運転手の言葉に、「ごめんなさい。ドイツ語は分からないわ」と首を振って、だるい体をシートの体を持たせ掛けた。

空港に到着しタクシーから降りると、山から吹き込んで来た冷風に身を震わせ、腕を抱えた。


アイルランドに戻ろう。
そして、まず真っ先に病院に行って、検査をしてもらって、それから……

私は空港でチケットを手に入れ、エスカレーターに手を掛けた。

それから、母さんと父さんのお墓に行って、シャムロックを供えよう。
そして、4人で暮らしたあの家を……

「アリシア!」

突然耳に届いた声に驚き顔を上げ、辺りを見回した。

「空耳……?」

私はふっと苦笑いすると、肩から落ち掛けているバッグをしっかりと肩に掛けた。

「アリシア!!……」

もう一度聞こえてくる声に、慌てて後ろを振り返った。
見上げるとエスカレーターの後ろから係員に腕を掴まれたジョージが何かを叫んでいた。

「ジョージ!」

私は進むエスカレーターの流れに逆らって戻り掛けて、止めた。

ダメ!
戻っちゃ、ダメ……

私は、ジョージから顔を背けると急いで階段を駆け下りて行った。

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Last updated  2007.03.09 02:03:42
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小山千鶴 @ Re:ひさしぶり・・・(06/20) koukoさん ご無沙汰しています。 本当に…
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