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ビザに関して色々と混乱があることに象徴されるように、中東ではいろんなことが混乱しています。いや、正確には「混乱しているように見える」と言ったほうがよいかもしれません。

一見、混乱しているかに見える中東。それは秘密警察というものが存在することによるのかもしれません。とはいえその名が示す通り、秘密警察の全容については、私なんぞのごく普通の人間が知る由もなし、また知る必要もなし。
「通常の刑事犯罪を 取り締まる刑事警察や 、交通 取締をする交通警察 とは異なり、 市民 にまぎれて不満分子を監視するのが重要な任務のひとつとなるので、通常は私服で市民と見分けがつかない。そのため、政治警察はその秘密めいた活動から、秘密警察と一般に言われている。通常は自ら秘密警察と名乗ることは少ない」。
ヨルダンやシリアではこうした秘密警察が多く存在します。私たちごく普通の善良な市民や観光客がこの存在を意識することはまずないでしょう。ただこうした秘密警察は、上記の定義にありますように実は日常的に接しているのです。タクシーの運チャンかもしれず、道端でたむろっているアラブかもしれません。
ポケッと生活している私なぞも、きっと日常的に彼らと接しており、彼らには外国人としての私のすべての情報が筒抜けだと思います。知られて困ることはないので、別にええよ~という感じですが。
中東では就職の際なども、面接を受けて「ハイ、採用」ではありません。会社からこの秘密警察に問い合わせる必要があり、秘密警察のOKが出ないと就職できないといわれています。そのため、何でも時間がかかる。
ビザに関しても、国境の係官の対応が混乱しているように見えるのは、実は秘密警察の存在によるのだと思います。反体制分子などを摘発するのが役目ですから、国境などではかなり神経を尖らせています。ごくごく普通の日本人の観光客でもまずは身元を確かめる必要がある。そのためにビザを持たない入国の場合には、審査にかなりの時間がかかるのでしょう。
さまざまな人種が入り乱れ、複雑な歴史が交錯する中東。こうした秘密警察の存在が中東の治安維持や秩序維持に一役も二役も買っているのです。なんて、偉そうなことを書いていますが、実は私自身も前述のように秘密警察の詳細などまったく知りません。ただ、中東には中東なりの事情がある。中東生活を通してそんなことだけは分かるようになりました。一見、混乱しているかに見える中東の治安や秩序は、実はある意味で驚くほど保たれているのです。
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