FROM  NEW  YORK

Apr 4, 2009
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カテゴリ: NY発信
国立アメリカ・インディアン博物館



イロコイ連邦がアメリカ13州の独立に協力したばかりでなく、連邦制度にまで影響したということを今日初めて認識した。そのような事を聞いたことはあったが、漠然としていて「ふう~ん」と受け流していただけだったように思う。

昨年度、親友の結婚式もこのイロコイネーションのオノンダガ郡にあるシラキュースで行われ、世界一汚染された湖、オノンダガ湖畔で結婚式の次の日にピクニックも行っている。親友にイロコイの事を聞いてもあまり知らず、きっと私の方が良く知っていると言われてしまった。イタリア系移民3世にあたる彼女にとってはイロコイネーションで育ちながらも身近な存在ではなかったようだ。

イロコイ連邦制度がアメリカ合衆国の連邦制度の元となっている背景には、ベンジャミン・フランクリンやトーマス・ジェファーソンに影響を与えていたことが要因だったようだ。1780年代の合衆国憲法制定会議にはイロコイ連邦や先住民諸国の代表団が含まれていたというから驚きだ。また、歴代大統領もイロコイ訪問するのが習慣となっていたというが、ジョンソン大統領で終わってしまった。ではジョンソン大統領の次の大統領は誰だったか?ウォーターゲート事件で失脚したニクソン大統領だ。

合衆国の国章ハクトウワシもイロコイ連邦を元にしてあり、言論の自由、信教の自由なども合衆国憲法に取り組まれ、女性の参政権があったのもイロコイ連邦だったというから、驚きの連続だ。

もともと、イロコイ連邦に属する部族は女系、部族(Clan)を統率するのはClan Motherと呼ばれる女性であり、その下に何人かの酋長(Chief)がいるのだそうだ。てっきり酋長が一番偉いのだとばかり思っていた。Clan Motherはリーダー(酋長)となる育成を任され、リーダーと共に部の統治をしたという。世界でも数少ない女系社会がアメリカ合衆国の元になっているのが興味深い。

イロコイの歴史は隣接する部族たちが争っていたのを平和を求めることに始まる。そしてもしかしたらここに現在の世界を予言するようなことが隠されているようにも思える。

イロコイが形成されたのは1000年頃と言われている。創造主(Creator)からの使い(Messenger)であるピースメーカー(Peace Maker)がこの5つの部族に平和をもたらすために送られた。

ある時、オノンダガ族のTadadahoという男の元に行った。私はどうしても忠雄と呼んでしまうが、Tadadahoは髪に蛇がまとうほどの邪念を持っていたという。Tadadahoはメッセンジャーであるピースメーカーが人々に平和を説くこと止めさせようとしたのでメッセンジャーは Tadadahoの娘を殺した。ハイアワサ族はピースメーカーの説く創造主の言葉を受け入れたが、Tadadahoの娘の死を悲しむ人々はやがて愛する人を失った人の悲しみを分かち合うようになる。人々は再びピースメーカーの言葉を受け入れ、やがて5つの部族に広がり、同じく創造主の言葉を受け入れた Tadadahoから蛇が梳き絶たれ、50人目の酋長として受け入れられたというのが伝承だ。

5つの部族は松の木の下に全ての武器を埋めて平和を約束し、この木を平和の大法則(The Great Law of Peace)を象徴する平和の木(The Tree of Peace)で集うことを決め、鷹(Eagle-that-sees-far)がその木の上を飛び、平和の木は根を聖なる四つの方向に伸ばし、ここにデモクラシーが生まれ平和の白い根(white roots of peace)となった。

そこでふと閃いたのが、4つの方向は当然の如く東西南北だが、5つの部族は5大陸とも考えられるのではないか、ということ。

ならば創造主のメッセンジャーとなるピースメーカーは誰、何処の国になるのか?

これは全て今日、初めて国立アメリカ・インディアン博物館に行って学んだことだ。スミソニアンの一部である故、入場無料。昔、税関だった場所で、政府と市の建造物に指定されている。展示物は他博物館と比べると少ないが、現在、「デザインによるアイデンティティー(Identity by Design)」という女性たちがどれだけ衣服に思いをこめてきたか、それが今も受け継がれているという展示が開催されている。

細かいビーズ作業、デザインに込められた部族・家族の象徴から当時の女性の生活やを垣間見ることが出来る。なぜか篤姫を思い出し、日本の着物にも同じような思いが込められていたんではと思った。

デザイナーの中にひとりアジア人の顔をしたJamie Okumaというラストネームの若い女性が居た。ネイティブ・アメリカンの中には日本人に似た人もたまに居るが気になって調べてみるとやはり日本に縁があったようだ。母方がネイティブ・アメリカン、父親がハワイアン・オキナワンの女性で出生と同時にインディアン居留地で育ったらしいことがわかった。なんだか嬉しかった。

「全ての存在は繋がっている」

ネイティブ・アメリカンの生き方そのものであり原点である光ある言葉が心に暖かく響く。

イロコイ連邦の旗

イロコイ連邦の旗






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Last updated  Apr 13, 2009 11:12:44 AM
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