山口小夜の不思議遊戯

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2006年04月16日
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『父と子と』  第二節 ─ン─ 不二角

 その時、私はホテルのレストランでおりしもワイングラスを手にしていたのである──なんということだ。が、息子は即座に答えて言った。

 「ンゴロンゴロ」
 「なんだそれ・・・・」
 「アフリカのタンザニアにある、ライオンが戦っていたりする高原」
 「・・・・・・」
 ともあれ、私は「ロ」を考えた。
 (ロマンス)

 「ロンドン」
 と言ってみたらまたもやっていたのだが、やはり息子は素早く続けた。
 「ンジャメナ」
 「今度はなに」
 「チャドの首都。次は‘ナフタリン’ですか?」
 「ナポレオンだっ!」
 と、私はそう言ってやりたかった。しかし、私は父である。私は言った。
 「な──なんでもない?」
 いつでも私は、息子たちを何を話せばいいのかわからない。

                         ─つづく─


 本日の日記---------------------------------------------



 ということは、皆さまご存じの『鳥取物語』の小夜ちゃんよりもひとつお姉さんになった頃のイメージです。
 髪、つやっつや! 鳥取でも青木でも、小夜は長い髪がトレードマークでした。
 楓のイメージをプレゼントしてくださった、絵の描(えが)キスト @礼さん からの贈り物です。

 これ、私が気づいたことなのですが、 楓の絵

 小夜が「みんなに自己紹介してもらいたい」と言うのを、楓に、
 「自己紹介なんかしなくても、おまえが勝手に相手を知っていけ」
 「自己紹介したくないやつがいたとしたら? おまえそういうやつの気持ちを考えたことがあるのかよ」
 とバッサリやられ、それでも小夜が持ち前の負けん気で、
 「じゃあ、あたしが自己紹介する。あたし、鳥取からきたんだ」と言い募り、
 「だからそんななまってんのな、姉貴サン」
 と楓が返してきたときの場面になるのです・・・・・。

 大切にします。@礼さん、ありがとうございました。


 今回は、 『青木学院物語』の書名について 申し上げたいと思います。

 『青木学院物語』は、副題(サブタイトル)となる予定です。
 しかも、『青木学院』は変更になります。
 舞台となる学習塾の名称については、アルファポリス側が適切な案をくださることになっております。

 私も作品が出版という道を歩き始めた以上、出版社にある程度「おまかせ」する意思がありますので、名称などの重要な変更であっても、よほどのこだわりがないかぎり(この‘こだわり’に関しては後日、申し上げたいと思います)編集部にゆだねているところがあります。なぜならば、編集部は出版のプロなのであり、書名ひとつをとってみても、「ひとつの文章のような書名がいい」「奇をてらったほうがいい」などなど、最近の傾向を知り尽くしていると思うからです。

 けれども、編集部いわく「タイトルは結構、本気で悩んでいます」だそうです。
 『かけがえなき愚行』については、かなり気に入ってくださっているのですが、メインのタイトルにするには少し「カタイ」ようなのです。主力候補ではありますが、まだまだ懸案事項です。

 「装丁を、“夏・青空・青い海・向日葵・さわやか・ブルー”といったかんじで考えているので、それに載せたときにはまるタイトル、です。そして、なんとなく“さわやかな風”をイメージさせるよいタイトルがないかなあ、と悩んでいます」

 とのことなので、私めも少し考えてメールしてみました。
 『遥かなる空に描く‘君’という字を』
 『あの青の中に行け』
 『放課後の少年』

 全ボツでした・・・・・

 担当の方いわく(この神さまのような担当の女性についても後日ご紹介させていただきます)
 「なにか思いついたらそれをいくつでも、お知らせくださいね。そのなかからぴったりなものがあればもちろんそれで。また、ちょっと変えていけるものがあればそれに、という方向で、検討しています。なにか“はまる”ものがあるといいんですよね~」とのことですが、

 皆さま、なにか素敵なアイディアはお持ちですか?
 今すぐに、というわけではもちろんありません。
 変更は6月はじめまでなら可能です。

 どうかこれから初夏に向かう季節の中で、頭の中に素敵なフレーズが浮かんだとき、小夜子の耳に囁いてください。
 みくまりが小夜に新しい名前を授けてくれたように、『青木学院物語』の名づけ親になってください。
 小夜はそれを授かり、相生村での新しい生を生きはじめました。
 皆さまのお力を、心から、心からお待ちしております。

 『青木学院物語』の宣伝部長を自ら任じていただいている桜さんも 本日の日記 にて、皆さまのお力を絶賛されております。ぜひご確認のほどを!


 【本日の私的物語観】

 作家の才能とは、環境や努力などの後天的な要素で培われるものではないと私は思っています。
 鍛錬で得られるのは、要するにリライトの才能です。記者や編集者向きの才能であって、これについても私からみれば大いなる可能性と偉大さを秘めたものであることは疑う余地もありません。

 けれども、作家に与えられた条件はただ、持って生まれた素質だけです。
 人はみな多かれ少なかれ語り手の素質を供えています。磨けば光る才能です。
 必死に頑張れば到達出来るものが才能ならば、野球をする人は皆イチローになってしまいます。
 作家とそうでない人を分ける素質、それはただひとつ。

 別人になれること。

 これに尽きます。
 小説を書いたことのある方ならば誰もが理解できることですが、登場人物とはどれも自分の投影です。けれども、逆説的な言い方をすれば、登場人物のどれもが自分の投影であり、同時に自分とまったくの別人にすることに成功した人が、真の小説家になれるのだと私は信じています。


 明日は●山口小夜子のPN変更について●です。
 皆さまのお力を、どうか私に。



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最終更新日  2006年04月21日 17時42分00秒
コメント(14) | コメントを書く


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わーすみません~小夜子さん!!  
架月真名  さん
私が風邪で寝込んでいる間に、『TREASURE HUNTERS』の連載が終わってしまったんですね~! お疲れさまでした。どきどきしながら読ませていただきました~ハッピーエンドでよかった♪ 『青木学院物語』は変更になってしまうんですね…やはり出版するとなると、いろいろな制約があるんだ~大変です。タイトル…考えろと言われると、思いつかないものですね~。ペンネームまで変えてしまうんですか? 小夜子さん、いい名前なのになぜでしょう? (2006年04月16日 10時46分02秒)

この絵はちょうど  
@礼  さん
先日の楓と同時期に描いて、そのまま差し上げるのを忘れていたのです(汗)
小夜子姉さまの仰るように、「青木学院物語」でのあのシーンを思い浮かべて描いたものです。不思議と、イメージは伝わるものだなぁと思いました(笑)

タイトル変更…「愚行少年」とか…?4文字漢字にしてみたり、「○○、○○。」のように文章にしてみたりと色々方法はありそうですね。「君」と「少年」はベストヒット単語かな、なんて♪
(2006年04月16日 12時02分07秒)

Re:わーすみません~小夜子さん!!(04/16)  
小夜子姉貴  さん
架月真名さん

寝込んでいらしたんですか!?

それはたいへんだ! お疲れがでたのでしょう。
今回も真名さんとワンツーゴールを目指していたのですが、やはり私が先に・・・・。
最近、年齢のせいでせっかちでいけませぬ。

真名さんも次回が最終回ということで、切ないような気持ちがします。CDにしていただきたいのですが・・・キャストも決まってるし!

あ! 真名さん、伺っても?
うちのキャラ、誰の声のイメージでしょうか。
ごめんなさい、人数が多すぎますよね(笑)。
(2006年04月16日 16時06分54秒)

Re:この絵はちょうど(04/16)  
小夜子姉貴  さん
@礼さん

おおおっ! ほんとにほんとであのシーンだったの!?
すごい・・・・@礼さん、私たちシンクロしすぎ。

今日は今まで外出していたのですが、なんとなく道をイラストの小夜ちゃんの気持ちで歩きました☆
本当に嬉しかったんです。

ベストヒット単語って、面白いね!
「君」「少年」「放課後」「ぼく」「冒険」とか。

思いついたときに、どうかメールでもコメント欄でも、唐突でよいのでお知らせください。
@礼さんのイメージをお待ちしています!
(2006年04月16日 16時25分13秒)

シンクロ率、高し!  
@礼  さん
 ビックリです(笑)なんでいつもこんなにシンクロするんでしょう…!私、割りとカンが良いほうなんですが、小夜姉さんもですよね??偶然は必然…?ちょっと恐ろしささえ感じてしまいます(笑)

 思いつきましたらまたメールかコメントで書かせていただきますね。お役に立てるかどうかはわからないのでアレですけども。とりあえず思いつくままに!心の赴くままに!(笑)

(2006年04月16日 19時03分53秒)

ya!!  
solya  さん
タイトルに、ペンネームの変更ね。。

売れるか売れないか、明暗をわけるのはそのへんなのかもねー。。。残念ながらsolyaは出版については全く経験がないので、エラソーには言えぬのですが・・・・。

タイトルについて。。。愚考してみまするに。
青木学園物語をもういちど読み直す。
然る後に、姐さんがもっとも云いたかったフレーズを(おくまでフレーズ。。)をひとつだけ選びだす。

ひとつだけって結構難しいですぜ。
案外、そのフレーズをそのままタイトルってどーだろか??少々長くてもいーと思うぜぃ。

solyaが高校時代好んで歌った歌に
「準ちゃんが吉田拓郎にあたえた多大なる影響」ってタイトルの歌があったくらいだもの・・・。 (2006年04月16日 19時18分54秒)

いよいよ本格化してますね!!  
こんばんは! どんどん具体化してきてますね。
仕事場で私もちらと考えてみたのですが、
「黒板を踏み切り、風になれ!」とかいうようななんか勘違いしたようなものしか思い浮かびませんでした。夏ですよね、風ですよね、
 ペンネーム変更はどうなんでしょう? 著作権関連の記事で確か「ペンネームよりも実名の方が著作権期間が長い」(うろおぼえなり)というのを読んだことがあるのですが、そのあたりなのかな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E5%90%8D%E3%81%AE%E7%99%BB%E9%8C%B2
このあたりがかなり詳しいかも。

創作する上で自分と違う人間を描けるかどうか。
これは永遠のテーマですね。難しい。 (2006年04月16日 20時22分28秒)

Re:『青木学院物語』出版化への道のり 第2節●タイトル変更について●(04/16)  
今日の挿絵の小夜子さんは、後姿は天皇家の愛子様のようですね。
素晴らしい運命を予感します。
(2006年04月16日 20時30分20秒)

Re:シンクロ率、高し!(04/16)  
小夜子姉貴  さん
@礼さん

私も事を集中して行なっているときのシンクロ率は相当なものです。
この上の↑solya兄とはよくシンクロして、『鳥取物語』の中盤はこの兄貴に引っ張ってもらいました。

@礼さん、リンクいただきました。
この場でご挨拶させてください☆
(2006年04月16日 20時37分35秒)

Re:ya!!(04/16)  
小夜子姉貴  さん
solyaさん

では──これがsolya兄がはじめて出版を手がけた経験となるのでしょうね。

この期に及んでは、ユーモラスなタイトルでもいいんじゃないかと思うんだよね。
殊更にノスタルジーを強調しなくても。

私たちがよく使った言葉に、
「ランドセル放り投げて来いよ」
というのがあったんです。
「放課後になったら急いで集まれ」という意味です。

そんな感じのフレーズ、探してみるね。
ありがと、兄さん。
(2006年04月16日 21時07分37秒)

Re:いよいよ本格化してますね!!(04/16)  
小夜子姉貴  さん
舞夜じょんぬさん

「黒板を踏み切り、風になれ!」

やはりさすがです。
「黒板」もいいですね!
『黒板を消そうぜ!』ってどうかな!
読んだらわかる隠しネタも示唆してるし(笑)。
明日、『黒板を消そうぜ!』で打信してみますね!

著作権の知識もありがとうございました。
そんな違いがあったのですね! すごく勉強になりました。
明日詳しく申し上げますが、私は結婚後の本名ですとわりと‘作家っぽい’のです(笑)。
けれども、それには制約があって・・・・。

明日、そのあたりのことについて触れたいと思います。
今後ともどうかよろしくお知恵をお貸しくださいませ。
(2006年04月16日 21時16分24秒)

Re[1]:『青木学院物語』出版化への道のり 第2節●タイトル変更について●(04/16)  
小夜子姉貴  さん
ゆうじろう15さん

そこまで言うかぁっ!

・・・でも嬉しいです☆
愛子様かぁ。パパに似ちゃったなぁ(しみじみ)。

(2006年04月16日 21時20分39秒)

Re:『青木学院物語』出版化への道のり 第2節●タイトル変更について●  
愛、燦々と さん
ん…つづき…しりとり。泣けました。笑。
題名、難しい~(^^ゞ素敵な名、決まるとよいですね(*^_^*)祈! (2006年04月16日 23時51分27秒)

Re[1]:『青木学院物語』出版化への道のり 第2節●タイトル変更について●(04/16)  
小夜子姉貴  さん
愛、燦々とさん

「しりとり」から、明日は意外な展開に・・・!?
他の感性の追従を許さない‘小角さまエッセイ’もあわせてお楽しみください☆

タイトル、考えれば考えるほどわかんない・・・・。
(2006年04月16日 23時59分18秒)

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