藤屋マネジメント研究所

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藤屋伸二

藤屋伸二

2011.01.04
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カテゴリ: コラム
昨年末で既刊8冊(監修を含む)の発行部数が456,500部となった。いずれもドラッカーの解説本であるが、今も順調に売れている。ドラッカーブームだから売れているのは間違いない。
ただし、すべてのドラッカー本が売れているわけではない。

1.『まんがと図解でわかるドラッカー』(宝島社)が235,000部
2.『20代から身につけたいドラッカーの思考法』(中経出版)が86,000部
3.『図解で学ぶドラッカー入門』(JMAM)が66,000部
4.『図解で学ぶドラッカー戦略』(JMAM)が21,000部
5.『20代から身につけたいドラッカーのマーケティング思考法』(中経出版)が19,000部
「1」がメガヒット、「2」「3」が大ヒット、「4」と「5」がまあまあのヒットと言ったところである。あとの3冊も発売即重版だったから「そこそこ」とは言える。

売れるには訳がある。と言っても「買って頂ける」ことが大前提であることは間違いない。ビジネス書における「よい本」とは“むずかしいことをわかりやすく、わかりやすいことをおもしろく、おもしろいけれど使える”でなければならないと考えている。



つまり、ある程度勉強した人たちを対象にしたドラッカー本だった。しかし、『図解で学ぶドラッカー入門』は「図解」と「入門」を組み合わせるため、専門用語、英語・漢語表現を極力使わずに書いた。そこにはイノベーションがあった。

『ドラッカー経営戦略実践ワークブック』(秀和システム)はドラッカー本では初めての本格的なワークブックだった。ワークをともなうため、発行部数は9,000部(第4版)である。しかし、このワークに真剣に取り組めば、ドラッカー理論が実践できるようになっている。私がV字回復を支援しているコンサルティングでの経営者への「質問&課題集」である。ワークブックは山ほどあるが、ドラッカーというニッチ分野では初めての形式でありイノベーションであった。読者の評価は高い。

『20代から身につけたいドラッカーの思考法』が発行されるまで、ドラッカーは30代以上の管理職の読みものだった。それを本書は、読書対象を20代からとした。そのためには、経験の少ないビジネスパーソンでもわかるように、さらにやさしくする必要があった。この本で新たな読者層を開拓できた。

『まんがと図解でわかるドラッカー』は、長年の課題であった「もっと分かりやすくするために、ドラッカーを漫画で表現したい」との私の思いと一致したものである。それまでドラッカーをまんがで解説したものはなかった。

いずれも編集者から企画をご提案頂いたものだった。しかし、ブームに乗っただけで売れたわけではない。いずれもイノベーションがあったから売れたのである。それは、それまでなかった読者層の開拓であり、表現や構成面での技術開発だった。

とは言え、「無」から「ヒット」が生じたわけでもない。ドラッカーのいう「企業家的柔道戦略」や「創造的模倣戦略」(これらの内容については著書参考)である。
既存のあるものとあるものを組み合わせたにすぎない。ドラッカーはそれがイノベーションだという。

現在、あなたや周りの人が感じている不満や不便を、既存の何かと何かを組み合わせて解消すればよい。そのためには、現場に出て、よく観、よく聴くことだ。

既存の市場は飽和状態であり過当競争であるが、新しい市場は無限の可能性があり無競争である。今年はそこにチャレンジしてみてはどうだろうか。






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Last updated  2011.01.04 10:20:15
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