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2005/06/04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
マラッカのオランダ広場からセント・ポール教会につづく道の途中にふと絵になる光景を見つけました。熱帯の陽光がさんさんと照りつける白壁の家の前の芝生、真っ赤な花が咲いていました。そこだけが時間が止まっているような一角。そこに灰色のシャムネコが歩いていました。


さて、前回、マラッカからフランシスコ・ザビエルが発ったことを書きましたが、一行をのせた特別にチャーターしたジャンクはどのくらいで日本に来たのか。途中、事故でもたもたして香港で行こうと進路を変えていたとき、にわかに風向きが変わって順風になり、船はすべるように台湾の北に出て一路鹿児島を目指したといいます。したがってマラッカを出て50日で鹿児島に着いた。
当時はやはり航海は大変危険で海難もさることながら、海賊による危険も大きかった。ザビエルの舟はポルトガルの護衛船もついていなかった。
こういうときに、どういう覚悟で人は臨むのでしょうか。
「今日まで私が遭遇したどんな危険にも増してはるかに大きな苦難が確実に待ち受けているにしても、私は行くのだ。なんとなれば、われらの主なる神が、あの東方の国において聖なる信仰にかくかくたる勝利を与えてくださることを信じきっているからである」
とザビエルは言っています。ぜったいに自分は死なない、神がついているという信仰がザビエルを支えていたのですね。
私は、1980年の正月を海上で迎えました。三井造船の千葉工場で作った石油探査船を中国の海南島のそばにある湛江という港にとどける旅でした。私は中国語の通訳というわけ。
この航海は実に楽しいもので、ハノイの沖で石油の探索訓練もしました。

ザビエルの舟は九州沖もクリアしてすべるように来れたのだなと思いました。
知研でもう20年以上前、太平洋ヨット横断で一躍有名になった堀江謙一さんを講演によんだことがあります。
堀江さんはあんな小さいヨットのマーメイド号で無線もつけずに海を渡った人ですから、ものすごいロマンチスト、冒険家だと思っていました。しかし会った途端に、「あ、この人はものすごい実務家で普通の人だな」とまっさきに感じました。話を聞いて、なるほどそうだ、綿密な計画と準備、技術、経験がなければあんなことはできないのだなとよくわかりました。
堀江さんはそれまでに八丈島往復や日本近海一周のヨット旅をしているのですから、マイレージは十分高かったのですね。それをアメリカまで直線にのばせばいいだけだという自信があったようです。
堀江さんに「死ぬとは思わなかったのですか」と聞いたら、いちばん恐れたのは、自分より早く誰かに先がけされることだったといい、日本を出るときは誰にも黙って出たのですね。
海上で一番怖かったのは何かと聞いたら、想像力だと答えた。このまま行ったら海が荒れて転覆するか、ものすごいナギで何ヶ月も海の上で止まってしまい、食料や水がなくなってしまうとか、想像しだすと恐ろしさで眠れなくなり、そういうときはウイスキーを飲んで酔うことにしたと言いました。もうひとつは果たして行く手にまちがいなくアメリカがあるのだろうか、とんでもない方向にそれているのだろうかと心配したそうです。道標になるあるべき島にいつまでもつかないのでますます心配になった。たえず六分儀で位置を確かめているにもかかわらず。途中でやっとアメリカの貨物船に遭遇して、位置が正しかったことを確認したときはバンザイをしたといいます。
ヨットの上で作業をするときはいつも体にロープを巻きつけていたそうです。足を滑らして海に落ちた場合に、ヨットは風にのってすいすいいて行ってしまうが、海に落ちた自分は「オーイ、待て」と呼んでも泳いでも追いつけないという笑い話みたいな恐怖。
堀江さんはグループで航海したことはまれで、ほとんど一人だけの航海だといいます。複数の仲間で長い時間航海するとやはり何事かがおこり、ストレスがたまるのだそうです。自分がしっかり責任をもって他の仲間は「お客さん」だとみなしていたという。いろいろ実体験者でなければ聞けない話を聞きました。
海は恐怖心をそそるが、なれを積み重ねることによってそれが地球無寄航一周などの快挙につながっていくのですね。 





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Last updated  2005/06/04 09:45:44 PM


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