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2005/06/06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日は小泉さんの靖国神社参拝のことについて述べます。

この問題は、要するに、あそこにA級戦犯が合祀されていることに絞られます。
昨日はフジテレビの番組で東条首相のお孫さんが出てきて、極東裁判の不当性を論じておられました。戦勝国の一方的な裁判だという点では正論です。しかし、300万におよぶ死者を出した戦争を始めた責任を当然、当時の国家最高責任者が負わねばならないのは自明の理です。国民に対して。だから極東裁判を非難することで責任回避するのはスリカエです。負けるにしても、昭和18年の半ばかおそくとも20年3月、ドイツの敗戦が明らかになった時点で戦争をやめれば、損害は非常に少なくてすんだ。終戦のタイミングについても間違った。
東条さんは極東裁判で矛盾したことを言いました。自分は臣民として天皇の命令に逆らったことは絶対にないと。これを聞いたキーナン検事はあわてました。そうなると天皇の命令で戦争を始めたことになり、マッカーサーが日本占領を効果的に進めるために天皇の戦争犯罪を一切問わないことにするというアメリカの大方針にもとるわけです。それで巣鴨に元首相の米内光政氏を行かせて東条さんに2度とそういうことを法廷で言わないように釘をさした。他の戦犯も喜んで天皇を守るために口裏をあわせるようにした。東条さんはかしこまりましたと謹んで受け、それからあの戦争は天皇が反対しても自分は独断でやったと言うようになります。これは見え透いた話で、天皇は軍隊のトップの統帥者ですから、この最高トップに反して首相が独断でできるわけはありません。当時の日本人官吏として。

A級戦犯の分祀についていちど遺族の承認を求めて回ったことがあって、6人の戦犯の遺族は同意した。しかし東条さんの遺族だけが同意しなかった。そうすると侵略戦争の罪を認めることになり、あれは自衛のための戦争だったという持論に反するからです。最高責任者の遺族としてはそう言わざるを得なかったかもしれません。それで分祀は沙汰止みになった。小泉さんもA級戦犯の霊にお参りに行っているのではないといい、極東裁判の結果を受け入れているといいました。
ではなぜ参拝をやめないのか、あるいはA級戦犯を分祀するように動かないのかというと、中国の言うことに従う形でやめることはできない、中国に屈してはならない、ここで屈したら中国はまたちがうカードを出してきて、日本をおどしてくるという強硬論者の勢力が背後にあるからです。
こういう強硬論の根拠を例えば読売新聞で岡崎久彦氏が連載していますが、要するにバランス・オブ・パワーの観念に拠っています。

大昔のギリシア時代、ペロポネソス戦争というのがあったことを教科書で習いました。だけどあのときの理論がまだ生きているとは知りませんでした。あのころ、アテネが一番強かった。ところが、アテネに対抗する国が現れ、アテネに脅威を与えた。それで、この国が力をつけてくればこちらはやられる可能性があるから、やられないうちにやっつけてしまおうということで戦争を仕掛けます。そうして勝つ。アテネはますます強くなる。これを見て今度はスパルタが怖くなり、このままいけばこちらがやられると思って、バランスを保つために軍備を増強し、先手を打ってアテネに戦争をしかけるわけです。結果はご存知のようにスパルタが勝った。これがバランス・オブ・パワー論の始まりで、第一次大戦もドイツがつよくなる前にやってしまえとフランスが立ち上がった。第二次大戦も冷戦もこの論理で行われました。

しかし、相変わらずこの理論は一部で生き続けています。アメリカは冷戦後、軍事予算を36%も減らしましたが、最近また増やしています。これは中国が軍備拡張しているからだという。公式発表より2倍から3倍あるというが、その証拠はあいまいです。一方、中国はアメリカが脅威だから軍備を強化するというでしょう。これは完全にアテネとスパルタと同じです。要するに、厖大な軍事予算のメリットを受けている人たちがいるとすると、その状態をいつまでも続けておきたいためにいろいろな脅威論がつくられるのではないでしょうかね。
日本におけるバランス・オブ・パワー族も日本を防衛するためにアメリカの軍事力と同盟し、中国が強くなる前に抑圧し、叩いておけ、靖国で文句を言わせるな、ということで強硬論を張っている。靖国で負けたら、中国はすぐまた次のカードをきってくるから負けられないと言っていますね。
こういうことで行くと、とどのつまり、日本と中国がふたたび戦争になる危険があります。おそらく最大の危機は台湾に関して日本が手を出した時でしょう。そうなったときの惨禍は想像もできないほどになります。
強硬論者の大学の先生たちは自分の言論に責任が持てるのですか!?





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Last updated  2005/06/06 10:37:15 AM


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