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八木哲郎

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2007/12/14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
映画やテレビで武家と町人がさしで混じり合っている情景がうつるが、あれはうそっぱちというものだ。武家と町人は水と油みたいなもので、対等に話などはしなかった。厳格な主従関係、階級関係があった。武家は武家だけでつきあい、武家屋敷からはあまり離れなかったと思う。

この前、イギリスの紳士が山高帽にステッキをもってあるいている理由を想像して書いたが、あれは武家の刀と同じであろう。
要するに階級の権威を象徴したものである。
私は戦前の巡査がサーベルを吊っていたのを覚えているが、あれは恐怖心をそそることおびただしい。武家の刀も町民に身の毛がよだつような恐怖心を数百年間与え続けたことが封建時代を支えたのだと思う。日本人に今なお残るお上に対する恐怖心がDNAに深く刻まれた原因は、あの刀である。

どうしてこういう想像をするのかというと、幕末の頃、日本に来た外国人の多くがあの2本差しを怖がっているからである。侍と出会うと、いきなり斬りつけられるのではないかという恐怖をいつも感じたとある。日本刀ほど鋭利な刃物はない上、スパッと斬られた首や手足の切り口を見てぞっとしたという記述が多い。
神戸のフランス人水兵斬殺事件で下手人が腹切りをさせられ、それを見届けにフランス公使がくるが、現場を見て吐き気をもよおし、耐えられなくなり逃げ出している。
日本は外国の植民地にも半植民地にもならなかった。それはいろいろ原因が考えられるが、ひとつにはあの刀だと思う。





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Last updated  2007/12/14 09:13:39 PM


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