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2007/12/17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「自由といっても、何でも自由ということではないんだよ」と日本人の大人がよく子供をたしなめるときに使うが、「自由」という概念自体には、何をやってもかまわない無制限の意味しかない。だが、イギリス人ならば、こう説明するであろう。「人間は法律や布令、社会ルールなどが(・・してはならない、must not)と明確に禁じている以外のことは何をしてもよい」と。このほうが論理的でわかりやすい。したがって家庭教育で子供たちに何がmust notなのかをみっちり教え込むのである。

フランスの民族学者エマニュエル・トッドは、ヨーロッパ諸国の伝統的価値観の違いは財産相続制から来ていると説明している。ドイツは家父長制が強く、財産相続は長男あるいは父親が選んだ者にしか許さなかった。管理主義的できわめて権威主義的な観念がここから発達した。フランス、イタリアなどのラテン系社会は財産相続を平等に行った。ここから平等という観念がごく普通になった。(その代わり土地がさらに狭くなり農民は貧困化した)。では、イギリスではどうかというと、財産権は個人に属しており、父親が死んだ後は、寡婦は3分の1の財産権を得るだけで子供たちは一切相続を許されなかった。それでも稀に長男相続が父親の好意によって行われたが、それより他人に転売されるケースが圧倒的に多かった。
したがって、イギリスでは平等という観念は発達せず、「自由」という観念がいちじるしく発達した。きわめて個人主義的な親が子供たちにせめて“くれてやれる”のは身の振り方の「自由」だけだったからというのだ。子供たちは新しい荒野を開拓するか、農業労働者に他家になって雇われるか、11,2歳頃から都市に行って徒弟奉公した。
イギリスでは13世紀頃までに長男が親の農業を引き継ぐ小農的存在は消滅しており、家族の土地共同所有でなく、父親の個人財産として分割相続は認められなかった。
したがってイギリス人は早くから独立して勤勉、どん欲に働き、外国にどんどん出ていって侵略した。イギリスの産業革命の結果、小農が没落したのではなく、それより数百年も早く小農が消失していたために、おびただしい賃金労働者予備軍が産業革命を招き寄せたという説明はきわめてわかりやすい。





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Last updated  2007/12/17 08:08:18 PM


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