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夜中の3時か4時ころがいちばんの活動期なのか、せかせかと部屋を動き回って鳴きやまない。眠れないで困ったわけである。
これから先、寒い冬、お前はどうして過ごすんだ。暖かいうちで飼ってやるんだぞ、ぬくぬくと暖かいところで丸くなっていられるんだぞ、メシの心配もいらないんだぞ、だからもっと大人しくしろ、といくら言い聞かせても、猫には通じない。
ある日外出から帰ってくると、いるはずのイケメンがいない。部屋は完全に締め切ったはずなのに、忽然と消えてしまっている。どこかに脱出口があるのかと、箪笥の引き出しまで調べた。まさかこんな所入れるはずないだろ!と思いながら。
だが、押入れのふすまが10センチほど開いているのが目に入った。ふすまを開けてみると、書類の上に猫の踏んずけた跡。私の押し入れの上の段に手作りの書棚があり、その上に天井板がややずれているのが見えた。わかった。やっこさん、書棚の上に上がって頭で天井板を持ち上げてここから天井裏に侵入したことが判明。さっそく懐中電灯で照らしてみると、いたいた、奥の方で2つの目が光っていた。
天井裏はかなり広い。どうして彼を追い出すか。最悪の場合は上がって奮闘するしかないか、と思ったが、あまりにも自分の滑稽な姿を想像していやになった。天井を行き来する音がうるさい。まったく名案がうかばないまま、とうとう2、3日が過ぎた。
ある夜半、うつらうつらしていると、ドサッという音。何事と思って闇を透かしてみると、黒いものがさっと動き去っていくのがみえた。今だ!と思って押入れのふすまをしめ、書棚の上に板やらなんやらを積んで天井裏への進入口をふさいだ。退路を断たれたと悟ったユウチャンことイケメンは唸り声を発している。しめしめ、こちらの勝ちだとほくそ笑んで、眠りについた。
夜が明けた。イケメン君、お早うと見に行くと、忽然として消えてしまっている。いったいどこから消えたのか。やっとトイレの窓から逃げたことが判明した。すべて努力は水の泡。それから3、4日間は失望感でぐったりだった。あの猫、不案内の場所で道路で車にでもひかれていないか、近くを探して回ったが、行方は杳として知れなかった。
ところが、それから間もなく元の位置に復帰していたのを発見したのである。よく道を間違えずに帰れたもんだと感心した。まったく悪ぶれずに餌をやると寄ってくる。何事もなかったように。
こうして私とイケメン君との関係は2週間ほどわが家に滞在してもらっただけで旧に復したわけである。