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八木哲郎

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2008/05/21
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学者というものは、ある特定の分野で長期にわたり相当の研究をしているから、物事の理解が深くなる。たとえばアメリカの大統領制にしてもそもそもアメリカという国が始まった時点から、ワシントンやジェファーソンという人物が出て、ゼロベースから国をつくってきた話を聞くと物事の根幹がよくわかって、物を見る目が養われる。
佐々木教授の話は、アメリカ南部の1870年あたりまでの奴隷制社会の話である。奴隷制度というものがいかに残酷であったか、教授は当時の文件からよくイメージできるように話してくれる。学生たちはしわぶきひとつせず、そういう恐ろしい時代のあったことを聴いている。
この2つの講座を聞いてよかったことは、アメリカ理解にしても、今までなんとなく現在風のアメリカ理解が先にきてしまうが、イギリスからうけついだ慣習法が19世紀いっぱいアメリカを支配していたことがわかる。それは厳しい家父長制である。女性の権利などはまったく無視される。日本の封建制度と同じではないかと驚いてしまう。

今、日本でワーキングプアが問題になっている。奴隷制度とはアフリカ大陸から騙して拉致してきた黒人を物的財産として家畜のようにトウモロコシなど粗末な食物を与えて、それ以外はまったくタダで働かせた労働制である。これで奴隷所有者はいかにべらぼうなもうけを上げたか。民主主義とか人権を尊ぶアメリカはこのはずべき奴隷制度をやめなかったならば、国家の矜持というものを持ち得なかったであろう。南北戦争というあれほどの犠牲を出してでも、やるべきことはそこにあったわけである。

われわれが本当に知恵をつけるとすれば、やはり単なる本読みだけでなく、あるテーマに対して相当深く勉強しないと、物事の根源がわからず、知恵はつかないだろうと思った。
やはり大なり小なり研究者になることが、物事を見る目を研ぎ澄まさせるのであろうと思う。





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Last updated  2008/05/22 01:23:08 AM


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