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2008/12/03
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水野和夫のグローバル経済論5 日本国内の2極化

そしてグローバル経済圏にかかわる企業は成長し、グローバル経済圏とは無縁のドメステック経済圏企業(情報通信と電力を除いた非製造業)はもうのびない、と宣告している。つまり国内市場だけを相手にしている企業は、国内需要はもう伸びないから、安心と安定で食べていけさえすればいいというものである。たしかに、中国の特需、つまりアジアの近代化に販路を見出した2002年以降のグローバル経済圏・大企業の一人当たり実質GDP成長率は年率9.5%であるに比べてドメスチック中小企業は3.8%であった。したがって「失われた10年」というけれども、グローバル経済圏にかかわる企業は好況がつづいたから、「失われた5年」ですみ、ドメスチック経済圏企業は「失われた10年」がまだ続いていることになる。神武景気以来の長期好況などともてはやしたのは前者だけの話で、後者は関係なかった。これは実感的にも十分わかる話である。
第2の資本vs労働であるが、資本のリターンは上昇しているが、労働分配率は減少している。従来なら、企業がもうかれば労働者の賃上げも可能だった。しかし、99年以来実質GDPが増加しても実質雇用者報酬は伸びなくなった。雇用者が景気回復の恩恵にあずかれなくなった。2002年からの景気回復では実質GDPは年率2.1%成長しているが、実質雇用者報酬は0.2%にとどまっている。その後はほとんどストップである。
グローバル経済圏・大企業の労働分配率は99年4~6月期の83.4%をピークにさがりつづけ、今では64.6%だという。
中小企業はどうかというと、グローバル経済圏、ドメスチック経済圏企業とも労働分配率は85%程度で、これは中小企業が労働者によくしているわけでなく、もうけがなくなって労使ともかろうじて生きているという表現の数字である。グローバル経済圏の大企業で働いている雇用者は全体の4.0%で、ドメスチック経済圏の中小企業で働く雇用者は57.4%である。
目の前がまっ白になるのは、もうけの源泉がグローバル、すなわち海外にあるから、グローバル関連の企業は、たとえ中小企業でも恩恵にあずかれるが、国内だけで営業しているドメスチック圏の企業は、少子化、高齢化、人口減、収入源で、国内需要は減退しているから、いくら、「内需の振興」と叫んでも、よほどの新産業を興すなどをしなければ、もう無理だという話である。経済評論家みたいな人が、努力と工夫、アイデアで成功なんていう例え話をするが、基本的には、「内需」「内需」といっても、それならどんな産業を興すのか、という意見をはっきり言える人でないといけない。
次に、大都会と地方であるが、地方に行けば、どこもかしこもシャッター街になっている。全国でいい地域は東海地域で、02年からの年率伸び率は9.3%である。いちばん低いのは北海道のマイナス0.0%。全国平均は4.4%であるが、これはほとんど東京、横浜、大阪、京都などの大都市にとられている。地域格差がひろがっているのは、北海道、東北、九州、四国、中国、関東などである。
結論をいうと、日本全体に均質性がなくなり、グローバル経済圏に連動しているところはよく、そうでないところは鳴かず飛ばずというところである。もはや日本列島の均質的な底上げ政策というものが機能しなくなっている。





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Last updated  2008/12/03 06:54:16 AM


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