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2008/12/04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
2001年以降、アメリカは「帝国」になった

もう10年くらい前の話であるが、橋本内閣のころ、金融ビッグバンというのがあって、銀行は最低の資金準備率が8%なければならないとか、会計基準を国際標準に変えねばならないとかいうことが決まった。最低資金準備率8%というのは貸出額に対して8%はいざというときのために、銀行に寝かせておかねばならないというものである。それまで日本の銀行はせいぜい3%くらいだったのではないかと記憶するが、それでも国内はよく回っていた。ビッグバンの結果、銀行は大騒ぎになり、貸出しの制限、貸出しの回収、銀行合併などが起こった。なぜこんなに無理しなければならないかは、当時は、グローバル経済になれば、外国の投資も呼び込めるようになり、いいことがあるからだ、というふうに皆が思っていた。
今、そのねらいがどこにあったか、水野はよく教えてくれる。
つまりこういうことだ。
アメリカ(イギリス、オーストラリアなどの英語圏もふくめて)では70年代にはいってから住宅価格が上がりっぱなしに上がっており、一般庶民も、自分の家を担保いっぱい銀行から借りて、別の家を買ったり、自動車を買ったり、物を買ったり、株や債券を買った。要するにアメリカ人は収入以上の消費をするのが当たり前になり消費ブームが盛り上がった。こうなると、供給が不足して、物価があがり、金利が上がり、かならずインフレになるのが通例である。また、金が不足してくる。アメリカはこれを防ごうとした。それで供給をふやすには外国にたよる以外にない。それを、ヨゴザンスと待ち受けてどんどん供給したのが、日本、中国、韓国のアジア勢だった。これでアメリカは供給不足から解放されたし、安い外国の商品で潤った。と同時に、これでアメリカは貿易赤字になるから、これが景気の足を引っ張る。したがって常にアメリカにはGDPの伸び以上の金が集まってきて、この貿易赤字を埋めねばならない。その仕掛けが外国よりも高い利子率の設定で、これで外国の金を呼び込む、ドルを常に高くしておくことである。
水野の本で気づかせてくれたのは、今度は、アメリカの企業や個人が日本のゴルフ場や不動産や株などを買ったら、それが常に値上がりして、資産価値を増やす仕掛けになっていないとこまる。こうしたアメリカの外国における所有資産が高くなれば、それだけアメリカの対外負債も減るからである。もう金の使い道は国境を越えてどこでもよくなったのである。アメリカはアメリカに呼び込んだ外国の金をまた外国に投資してもうける。そのためには外国の政府が言うことを聞いてくれて、アメリカの思うようになっていることが必要であるから、「年次改革要望書」で、簡易保険を廃止しろとか、民間保険会社化しろとかいうことを要求した。これは「恒常化された内政干渉」(関岡英之)だと問題になったが、日本の役人は「こちらでもアメリカに言いたいことを言っているから、内政干渉ではなく、お互いの希望条件をぶつけているだけだ」と簡単に受け流した。
水野は、2001年からこのようなグローバル経済の仕掛けが、アメリカによって意識的に仕組まれたとしている。アメリカの過剰消費の恩恵がニンジンになって日本も中国もそれにのったわけである。ドルの暴落のリスクも承知の上で。
水野は、アメリカの経済をけん引しているのは個人消費であり、対GDP寄与率70%を維持している。一方、日本の景気上昇を引張っているのは輸出とそれにともなう設備投資である。これがGDPに対する寄与率が非常に高い(80%)が、個人消費はGDPの57%でありながら、対GDP寄与率は26%に落ちてしまった。したがって日本の国内でいくら消費ががんばったところで、大した景気上昇のけん引にならないと水野は言う。
つまり4、5年の周期で回っていた景気循環が、一国内でのバランスが崩れたために、グローバルの大波の中で引き回されることになった。






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Last updated  2008/12/04 11:06:11 AM


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