やめて~、読め読め~~


 すかさず耕平がいった。
「やめてぇ~~(か細い女声で)。読めヨメェ~~(低いダミ声で)。やめてぇ~~。よめよめぇ~~。・・・・・・・・」

 それは際限なく続く。
「何言ってんの?」
 私が訊くと、にやっと笑って耕平が答えた。
「ねぇちゃんの心に居る天使と悪魔の声だよ。」

 吉本へ就職させようかと、また本気で思ってしまった。

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