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January 17, 2013
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カテゴリ: 映画
『別離』は2011年のイラン映画。ペルシア語。
イラン映画界最高の監督と名高いファルハーディ監督作品。



2010年9月、ファルハーディー監督はイラン文化イスラーム指導省により映画製作を禁止されている(これは彼がある受賞スピーチでイランの映画関係者を擁護する発言をしたため)。

本作品はベルリン国際映画祭の最高賞である金熊賞と、女優賞・男優賞(出演した役者は全員受賞)の2つの銀熊賞の計3部門で受賞を果たしたほか、アカデミー賞では外国語映画賞を受賞、脚本賞にノミネートされ、世界中で90以上の賞を獲得している。

『別離』は、ある中流家庭の離婚にまつわる話であると同時に社会派ドラマであり、サスペンスの要素が全編に張り巡らされており、最後まで観客をハラハラさせ、飽きさせない。
ファルハーディ監督には今後もイスラーム社会に生きる人々の人間ドラマを撮り続けてもらいたい。







『別離』の中で描かれるイラン(イスラーム社会)
映画『別離』を理解するためのワンポイント より


■イランにおける離婚率はここ数10年で急増しており、2000年の約5万組から2010年には約15万組に達した。一方で、結婚適齢期を迎えた若者120万人のうち20万人が未婚とされ、離婚率の上昇と婚姻率の低下が、日本と同様に社会問題となっている。

■イランの法律は、基本的に全てイスラーム法を基準とする。


■2000年以降、イラン人の平均寿命は70歳まで延び、介護が必要な高齢者が年々増加しているが、イランでは老人介護の施設が非常に少ない。それは、介護は家族の役割であり、施設に入れられた老人は大変不幸であるという社会通念が強いためであるという。
イスラムの教えで男女隔離が厳格なイランでは、親族ではない男性の肉体に直接触れたり、介護をすることは、精神的にも社会的にもかなり高いハードルを乗り越える必要がある。

■イランでは、女子の就学率、進学率が高まり、高学歴化が進んでおり、1998年には、女子の大学進学率が男子のそれを上回るに至った。







上記のような社会情勢をふまえ、11歳になる娘に海外で良い教育を受けさせてやりたいと考えた母シミン。しかし彼女の夫ナデルは認知症の父親がいる為、国内に留まりたい。イスラーム法では夫の許可がなければ女性が国外に出る事は許されないため、夫婦は離婚を決意するも、「夫の暴力」等明確な離婚理由がない場合の離婚は認められず、ひとまずシミンは夫とは別居し実家に留まることにする。

ナデルは父の介護のためにラジエーという敬虔なムスリマ女性を雇う。ラジエーは短気な夫ホッジャトに無断でこの仕事を得ていた。
急にシミンがいなくなった環境の変化によるためか、父の介護依存度はラジエーが対処できるものではなくなっていた。
(ラジエーは女性のイスラム教徒である。親族以外の異性の体に触れてはいけない戒律がある。映画のように男性が失禁してしまった場合、原則として同じ男性の介護人か、親族でなければ着替えやシャワーの介助はできない)

妊娠19週で大きなお腹を抱えたラジエーは老人介護や室内の清掃に彼女なりに全力を尽くすものの、ある事件がきっかけで盗みの汚名を着せられナデルに家を追い出され、流産してしまう……




《感想》

離婚率の上昇や婚姻率の低下、介護が必要な高齢者の増加は日本でも社会問題になっている。
「お年寄りを施設に入れるのは可哀想」だという社会通念は現代の日本では下火になってきているものの、日本政府は『自宅介護』を推進しており、高齢者を取り巻く環境はイランも日本も変わらないのかもしれない。


私の中の偏見として、‘男性の性質は国によってかなり異なるが、女性はどの国の女性もだいたい同じ’ というものがあるのですが、この映画に出て来る男性たちは何かあるとすぐ『カッとして、つい我を忘れてしまって』引き起こす暴力や諍いが多く、なんだか私が抱く向こうの国の男性像とぴったり合致するのですが、実際のところどうなんでしょう……まぁ知らなくても別にいいけども……私は日本の男性が一番付き合いやすいです。繊細さがあるから。力よりも優しさ、命令よりも理解。粗暴な言動を見せる者もいるが、それは例外だ。
それが私のこの映画に対する感想です。(すみません)(映画は傑作です)





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Last updated  January 18, 2013 03:21:18 AM
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