GOlaW(裏口)

2006/06/01
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 喪失と発見。
 再見と変化。

 太陽と月が巡るうちに、人の心は移ろい、譲れない物を見出す。


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 人の心を動かす出会い。
 いよいよ、思わぬ人々が美幸の心を変えていきます。
 “ちょい役に見えていたキャラが、意外なところで関わっていく”という展開は昔から大好きです。
 それに『美幸と近い存在でありながら、コンプレックス克服に関しては先輩のB2』、『信念はあるけど甘い部分も持つ社長』のキャラクターがいい味を出しているんですよね。

 そして、『おさむ』の方も『ドラマ班』と『バラエティ班』の思考の違いが、2人の壁になってきましたね。
 こちらも手に汗を握り始めました。

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 まずは美幸サイドの話から。

「お笑い番組を嫌いなのは、嘘の笑いばかりだからだ」

 今回、美幸親子の相似を感じたのは、何よりもこの言葉でした。


 お父さんが『笑わせること』そのものを嫌いなはずが無いんですよね。
 そうでなければ、娘も“友人やお客の前ではユーモアを発揮”できるように育たなかったはずですから。

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 そして『本質を突く言葉』に対して、美幸は臆することなく受け止めました。
 それは、彼女自身も同じ事を感じ、覚悟していたからだと思います。

 『第一話』の“人を貶める笑い”も、バラエティには満ちています。でも『第四話』のように、誰かを楽しませようとする人もいる。
 彼女は、『おさむ』と『B2』を信じたんだと思うんです。

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 『嘘の笑い』で思い出したことがあります。
 数年前、『SMAP×SMAP』で挿入される笑い声がかなり煩かった時期があるんです。

 ちょうどその時は1年ほどプロデューサーが変わった頃です(現在はまったく違うタイプのバラエティでの実績が買われ、『スマスマ』から手を引かれています)。
 そのプロデューサーさんは当時、芸人さんのコント番組に拘っておられました。実績もありました。でも、そのプロデューサーはアイドルを使うことが、当初はかなり嫌だったそうです(P本人の日記より)。


 そのプロデューサーさんのスタイルと、番組が培ってきた笑いの質が、まったく相容れなかったんですよね。
 だから視聴者は全然笑えないんです(出演者が頑張っているのは伝わってくるんですが)。
 それなのに、そのプロデューサーさんが連れてきたスタッフが必死に大声を上げて笑うんですよね。
 台詞に被って聞き取れなくなるし、『笑いに必要な間』に割って入ってくるし、見る気をどんどん削いでいきました。
 また、『笑い声』自身も、声の張り上げすぎで感情が篭らなくなっていました。それが更に「このコント、面白くないですよ!」という声に聞こえてくるんです。


 当時は、そのプロデューサーさんもスタッフも頑張っていました。
 だからこそ『面白く』なるまで、出演者も含めて信じ、待っていました(…結局、面白くなる前にプロデューサーが変わっちゃったんですけどね)。


『嘘の笑いが多すぎる』
 このドラマの重松プロデューサーは、現在の『SMAP×SMAP』のプロデューサーでもあります。
 その意味を考えると、重いです。

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 彼女が人前で自分の失敗を話した時。
 彼女の話を聞く周りの反応を観ても、彼女の『頭の回転の良さ』や『空気の読み方の巧さ』が分かりました。

 私もブログやメールで、自分の失敗談や“痛さ”を笑いのネタにします。
 『呆れられて、笑ってもらって、その先に許されて、受け入れてもらう』というのは、『松竹喜劇』に見る昔からの関西の笑いだと思います(…最近の『吉本新喜劇』とは少し、笑いの質が違うかもしれませんね)。私もそう言った感覚に甘えています。
 でも、人を笑わせるのって本当に難しいんですよね。
 受けたら「よっしゃー(ガッツポーズ)」なんですけれど、でも自信はまったくありません。
 そういう意味では、実際に笑いを取れる美幸ってすごいと思います。

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 『B2の2人が美幸の心を解す過程』は、予告から想像していたよりも地味でしたね。
 それでも一話掛けてじっくり描いてくれたことは高評価です。

 河原を転げ落ちた2人を見て笑う美幸はすごく意外でした。『無事にほっとして思わず笑みが零れた』という表現だったのでしょうか。『カタルシス』を感じた笑みでは無いと、私は思いますが(それだったら怖い)。
 私が美幸だったら、きっと笑う余裕も無くおろおろとした挙句、一緒に転げ落ちている気がします(←それはそれで危ないだろうがっ)。

 B2が美幸の心を大きく開いたのは、きっとベッドの上でのことですね。このシーンは私も大好きです。
 『色んなコンプレックスを、笑いに昇華してしまうこと』。それは決して卑屈になる事でもなければ、逃げることでもなく、一つの強さだと知った瞬間だと思います。
 美幸のお父さんも、『芸人』に対する理解を改めたことだと思います。

 きっと人生には色んなことがある。
 でも『全てを楽しもうとするゆとり』があれば、人生もそんなに悪くなくなります。
 B2の2人の行き方は、まさにそんな『ユーモア』を掲げる生き方なんだと感じました。
 それは、私が理想とする生き方でもあります。

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 『おさむ』サイドの話に移りますね。

 やっぱり、『ドラマ班』と『バラエティ班』の壁がやってきましたね。
 第一話では『バラエティ班』からの偏見が中心でしたが、今度は『ドラマ班』からの偏見が中心でした。
 美也子も『ドラマ班』としての、真面目な部分を強く持っていましたね。

 私自身は、今回についてはどっちの主張も正しいと思います。
 『過去ではなく、今の自分の仕事を見て欲しい』という美也子の気持ちを大切にするドラマのプロデューサーも正しい。
 『視聴者の関心を引き、その上で紹介することでより魅力を引き出したい』という『おさむ』達も正しい。

 あえて言うならば、両方の意見が食い違った時点で
「それは出来ない」
 と断る『おさむ』の判断が正解なのかもしれません。


 …どうしてもこのケース、
『いや、SMAPのコンサートを一般にも紹介しますから、その代わり芸人を割り込ませて、茶化させて』
『“彼らがプロとして作り出す世界”に浸りに来るファンもいるわけですから、それは出来ません』
という、某バラエティ番組と事務所の攻防を連想させるんですよね(…SMAPファンにも、潜入してきた芸人さんにも不幸な仕事だったと思います)。
 そう思うと、美也子を全力応援してしまう(汗)。

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 『行政物件』。
 な、生々しい業界用語だ(滝汗)。
 でも、ドラマの宣伝と無関係でいられるバラエティ番組は、もうフジテレビには無いんですよね。
 昔『SMAP×SMAP』が相当好調だった頃は、宣伝はほとんど無かったんですよ(コントの元ネタにすることはあっても)。でも寂しいことですが、今はかなりの『行政物件』を引き受けています。
 この時流は、どうすることも出来ないのでしょうか。

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 別々に進行してきた『おさむ』と美幸の物語。
 でも、これからは再び交わります。
 次回は美幸の箍が外れそうで、それもちょっと恐ろしい(笑)。でも、今回の話でどう変わったのか、それが楽しみです。

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 果て無き絶望の上にも、別離の寂しさの上にも、等しく時間は流れる。
 その間の変化が、物語をこれから動かしていく。





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Last updated  2006/06/01 07:13:19 PM
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