GOlaW(裏口)

2008/03/13
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『残酷な嘘』と傍にいること。

 “英治も、美桜とまったく同じことをしていた”
 それが、第九話終了時点での私の感想です。

 相手を傷つける残酷な嘘を吐き、それでもずっと傍にいようとした英治。
 だから、同じように近づく美桜のことを責めることができなかったんですね。

 それと同時に、
「自分が相手をつなぎ止めようとすると、相手が傷つく」
というトラウマ――棘が刺さっているようにも思えます。
 それが時には、雫に掛けた『一人にしてくれ』という言葉(おそらくは親から彼が受けた言葉の反復)になったりするのでしょうか。。




 本当は『ここ一番のI LOVE YOU』(byマスター)を決めなきゃいけない瞬間だったのに。

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 美桜の願いと贖罪。

>「もういいじゃないですか』
 たぶん、美桜には『過去の罪は封印しよう』とは聞こえても、『過去は十分償われた』とか『過去じゃなく、今があればいい』とは聞こえなかったのと思います。
 それは『許し』ではなく、緩やかな『拒絶』に感じてしまったのだと思うのです。


>「引き留めてくれない」
 本当は、引き留めてもらいたかったのだと思います。

 自業自得とは言え苦しい思いまでして、ずっと会いに行っていたのに。
 それでも、彼は『るり』にしたようには、美緒を引き留めようとしなかった。

 そこで湧き上がるのはきっと、寂しさと嫉妬。
 それが、彼女の『別れ』へと背中を押したのだと思います。


 彼女は、そうできなかったのですね。

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 るりの真実。

 『事実であっても、真実じゃない』
 そう美桜は英治に問い詰める。

 …だけど、どれが本当なのか、まだ予断は許されません。


“るりは本当のことを感じていながらも、あえて言わせなかった”

 という可能性もあるからです。

 もし彼女が『ショウに捨てられた』という事実を知っても、それでも産んだ可能性もあります。
 宿った命を、ほいほい捨てられる人と思えませんしね。

 その場合、英治が悪いと言い切れません。
 ただ、英治が全てを明らかにしていたら、彼を取り巻く状況も少しは変わったのかもしれませんね。

 何が本当なのか。野島先生だけに予断を許しません。

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 院長について。

 この人は妻を連れ戻すために、やり直すために雫を引き取ったのでしょうか。
 いや、それも大きな理由の一つだろうけれど、それだけと思いたくはありません。

 雫という『花』が、祖父に種を撒いているのだと信じたい。
 『愛情』という種が、いつか院長の中で芽吹きますように。


 他人を巻き込み、その被害さえ考慮しない、間違いだらけの復讐の末。
 それは結果として大事なものを失わせ、『本当の復讐相手』に塩を送る形になってしまう。
 それは皮肉ではありますが、彼にはまさにぴったりな報いであったと思うのです。

 もう、十分に報いを受けたのだから、どうか後は救いだけを与えてください。

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 直哉の感情の変化。

 現状で一番お気に入りのキャラです、彼。
 『小悪党が状況の変化で改心する』シチュエーションは私の大好きなものの一つ。
 すべて計算ずくでそこの見えないキャラのようでいて、英治に影響を受けているんですよね。
 『一匹狼を気取っていた捨て犬が、まっすぐに懐き始めた』ような感じ(比喩の適切さは置いておいて)。

 『気まずさ』や『後ろめたさ』をふっ切って、一生懸命彼のために動く姿は応援したくなります。

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 本当の父親。

 ショウ、『好き』だったのは本当だったんでしょうね。
 彼の中で『留学して終わり』だっただけで。

 でも、留学してまで手に入れたのが『関連病院(←さすがに大学病院では無いようです)への出向』。
 それは大学の出世コースとは違う、云わば『外様』の扱いへ移っただけ。
 そして医学界の出世は、手術の腕より研究がメインなのに。

 それが、好きな女性とお腹の中の子供を捨ててまで手に入れたものですか?
 傍らに味方も、愛おしい人もいない人生が、そんなに素晴らしい未来なのですか?

 あまりに哀れです。

 そして、そんな死生観を持った人間が、医療関係者を名乗るということ。
 そのことこそ、物語の中でもっとも悪寒を覚えたのです。

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 英治とショウ、かつて並んで咲いた二輪の薔薇。
 けれどそれは、『るりの種』の有無によって、大きく分かれました。

 その事実は変えようが無いのです。
 英治が、ショウがそのことに気づいたとき、何が起こるのか。
 ……・せめて、雫が傷つくことだけはありませんように。

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 今はもう、薔薇の心を封じた花屋の物語。それはまだ、終わってはいない。





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Last updated  2008/03/13 09:21:41 PM
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