ゲオルグ マイスターマン






ゲオルグ マイスターマン

ゲオルグ マイスターマン(1911‐1990)はドイツの美術史
特にステンドグラスの世界では重要な意味を持つ
去年 縁あって ステンドグラスの旅をして たくさんの近代の良い作品に触れ
古臭いイメージを払拭してから いろいろ興味を持って見るようになった
マイスターマン.

kyoukai
昨日行ったマインツ近郊の新興住宅地にある カトリックの教会は
彼の歳晩年のステンドグラスが入っていた
トーマスは知っていたらしいけど これといった説明も無く
いきなり連れて行かれた私には ちょっと嬉しい誤算だった

建物の形がまず かわっている
普通は シンメトリックな構造なのに ここは 多角形な平面で 正面性がない
はいるとまっすぐ一番奥まで見渡せて 正面にメインの祭壇及び
ステンドグラスが見えると言う クラッシックな構造から はずれて 
やや左の奥に祭壇があり その左手上方に おおきなキリストのステンドグラスが入っている(上の写真)

ゾーリンゲンに生まれ デュッセルドルフで美大に行っていた彼は
抽象的な作風だった為 1933年にナチスによって大学を追われ 
発表の自由も失うが 戦後 復帰 数々の作品を残した 
当時戦争で多くの教会が破壊されていて教会復興の波があり 
ステンドグラスは一種のブームだった 
日本ではこの頃 あまりステンドの大きな作品は無かったように思う 
ステンドが特殊のものという認識があるのに対し ドイツのステンドグラスは 
切れ目無く芸術活動の一分野としての歴史があるように思う
彼は ドイツ キュビズムの作家でもありフレスコの作品もある
この教会は彼の最晩年の作品で 絵付けが多く 線の使い方が
絞り込んであるように感じる

強い色が象徴的に使われていて ちょっと詩的な感じもある
聖書からの題材で キリストが 十字架を背負って刑場へ行き
最後に復活するまでをつづった 15枚組の作品だ 日記のタイトル画像と
下の画像の作品は小さなもので 10枚あまりのシリーズになっていて 
このキリストの物語の最後の「復活」が上の作品になる 私にはこの作風の方が
典型的な感じがしていたので タイトルの画像や下の画像の作品はちょっと意外だった

1992年ごろドイツで別の作家の作品を見たとき とても新しく感じたものだが
あの時既にマイスターマンは亡くなっていて
その作家は彼のこの歳晩年の作風に影響を受けていたのだと知ったのは かなり後になってからだった



Pic040midori.meistermann




© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: