2014年06月08日
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カテゴリ: シリーズ京歩き


政治・経済・商流など、あらゆる面において日本の中心であったようです。

徳川氏の時代になってからでも、伏見は政治の中心であり続け、
伏見城が破却される江戸時代の始め頃まで、
城下町伏見の繁栄は続いていたのだといいます。

伏見に城が築かれていた期間というのは、およそ30年くらい。

しかし、その間に伏見城は、幾度かの興廃を繰り返し、
その度ごとに再建されたという、波乱に満ちた推移を経てきた城でもありました。

以下、伏見城の変遷の歴史について、少しまとめてみたいと思います。


***********


伏見の城の成り立ちは、秀吉の隠居所に始まります。

当時、秀吉は、甥である秀次に政権の座を譲り、
隠居所を作って、伏見に移ってきていました。

この隠居所は、宇治川のほとり、指月と呼ばれる丘陵に築かれました。

ところが、謀反の疑いありという嫌疑をかけられ秀次が失脚したことから、
秀吉が政権の中枢に復活し、これ以後、秀吉のいる伏見が政治の中心となっていきます。

指月の隠居所も、壮麗な城へと再構築され、
諸大名が、続々と伏見に移住してきます。

ところが、この指月城、文禄5年に京都を襲った大地震により、
あえなく倒壊してしまうことになりました。

次いで、指月に代わって城が築かれることになったのは、
指月の北西に位置する小高い丘陵、木幡山でありました。

この城を中心にして、伏見には本格的な城下町が形成されていきます。


しかし、そうした中で、秀吉が病没。
秀吉亡き後の政権の座をめぐり、やがて、関ヶ原の戦いへと政情が推移していきます。

関ケ原の前哨戦となった伏見城の戦い。
家康の意を受けた鳥居元忠が、伏見に入城し、
頑強な抵抗により、三成側の軍勢を10日以上伏見に釘付けにしました。

やがて、激闘の末、元忠が切腹して、城は落城。
伏見城は、炎上します。


しかし、この後、家康は、再び木幡山に城を築城しました。

新たに竣工した伏見城に、入城する家康。
家康は、ここで政務を取りはじめます。

伏見にあって、天下に指令を出す。
このことは、天下の主となったということを、世間に印象付けるという意味があったのでしょうし、
それだけの都市基盤が、伏見の町に備わっていたのであろうと思われます。

征夷大将軍となり政務をとっている間、家康は、ほとんど伏見城で過ごしていたのだといい、
また、秀忠・家光も、征夷大将軍の宣下を、ここで受けています。

しかし、徳川政権の体制も確立されてきたということでしょう。

元和9年(1623年)、一国一城令が発布され、
これにより、伏見城は廃城となり、破却・解体されることとなりました。

今は、往時の姿を全く留めない伏見城ではありますが、
それでも、その建物は、京都を中心として色々な神社や寺院に移築されていて、
わずかではあるものの、その面影を垣間見ることができます。


***********


御香宮神社を出たあと、桃山御陵にやってきました。

桃山御陵というのは、明治天皇とその后である昭憲皇太后が葬られている陵墓なのでありますが、
この御陵のある山というのが、木幡山。
そうです。ここは元々伏見城があった場所なのです。


桃山御陵入口.jpg


陵墓に向かう参道には、木々が生い茂り、
その敷地は、まるで古代天皇の陵のように広大です。

ゆるやかな坂道を、しばらく登っていきます。

ここが、元は城であったという雰囲気は、確かにありますね。


御陵参道.jpg


参道のところどころには、大きな石が並べられていて、
「伏見城石垣に使用されていたと思われる石材」
という宮内庁の説明板が立てられていました。


伏見城の石材.jpg


明治天皇陵に着きました。

清々しく、清らかな陵墓ですね。

この前に立つと、心が清められるような、
そんな雰囲気があります。


明治天皇陵.jpg


明治天皇が崩御されたのは、明治45年(1912年)のことでしたが、
その年のうち、ここに埋葬されたといいます。

墓所を京都に、
というのは、明治天皇の意志によるものだったようで、
元々ここが宮内庁の管理地であったため、
用地として適当であると考えられたのでしょう。


明治天皇陵からの眺望.jpg


明治天皇陵の前は、ちょっとした展望台のような感じになっていて、
そこからは、京都近郊の町の景観を見晴らすことができます。


ここは、かつて、秀吉が臨終を迎えた場所であり、
鳥居元忠が、奮闘切腹をした場所であり、
また、家康が将軍として君臨した場所でもありました。

そうした数々の歴史ドラマを包み込みながらも、
今は、天皇陵として静謐の場になっています。

歴史のうつろいの不思議さを感じさせる、
そんな異空間であるかのようにも感じられる桃山御陵。

多くの緑に包まれた、とてもきれいで、のびやかな御陵でありました。






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最終更新日  2014年06月08日 17時41分38秒
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