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Oct 16, 2007
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カテゴリ: 本
横山作品と言えば、警察小説と思ってしまいますが、この作品の主人公は地方紙の新聞記者です。


1985年、群馬・長野県境の御巣鷹山に日航のジャンボ機が墜落する未曾有の航空機事故が発生する。
谷川岳の衝立岩登攀を予定していた地元紙の記者、悠木和雅は全権デスクに任命される。
一方、共に登る予定だった同僚の安西も、登山することなく病院に搬送されていた。
悠木は40歳になった今も社内で最古参の記者である、そんなアウトロー記者が、事故の全権デスクを命じられたことをきっかけに、会社という組織や家族と否応なく向き合うことになってしまう。
友と挑戦するはずだった谷川岳の絶壁の代わりに御巣鷹山への挑戦を、新聞報道という形で行うことになるのです。
凶悪な断崖に、絶望しとどまる事もしばしば、それでも登るのを諦めない悠木。
家族や社内の軋轢と正面から向かい合い、そこに同僚の不可解な死の謎も交錯しながら、物語が進んでいきます。


そのどれを優先すべきか。
報道を巡り、組織内の抗争や派閥争いが絡んで、組織との壮絶な闘いは非常な熱さで描かれています。
「下りるために登る」と言い残した安西の言葉も深い、読者に多くのことを突きつけるものです。
スクープと思われる記事も、遺族や読者の感情に配慮して、局面で悠木が出した答えは果たして正しかったのか・・・・

高揚した気分で一気に読ませてしまう辺りは、さすがはこの作者ならではと思ってしまいます。
自身が上毛新聞社で12年間記者生活を送り、その間に現場取材した事件でもあり、この作品を著者は次のように語っています。
 ――記録でも記憶でもないものを書くために、18年の歳月が必要だった。


小説の最後に悠木は、社長の白河から退職か飼い犬(山奥の支社にとばして、もう二度と本社へは戻さない)になるか、決断を迫られます。
北関のペンバッチをはずそうとする悠木に、「山にでもどこでも行けよ!飼い犬が嫌なら野犬にでも山犬にでもなればいいじゃないか。そこで書き続けろ。桜便りやアユの放流や、何でもかんでも書け!って」と言う同期の仲間の言葉が。
この男達の発する熱い言葉の数々、そして小説のラストは明るく希望に満ちて・・・思わず私も感涙してしまいました。

あれからすでに20年、私も当時作者と同じく群馬県内に住んでいたため、あの事故のことは鮮明に覚えています。

その息子もすでに社会人となり、その間は悠木の味わったような家族間の行き違いも感じることのない平和な日々でした。
しかし一昨年の突然の発病、それまでの生活とは一変してしまって、自分だけは何事もない人生と思っておりましたが。。。
でも人生なんて終わってみないと解らないものです。
私だってこれからも強くしぶとく生きていくつもりです、これからも希望を求めつつ。





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Last updated  Oct 16, 2007 11:00:45 AM
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