花散る里

2011年03月14日
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水が出ないので、1日1~2回の水汲みをしていた。

バケツ2つにビニール袋を入れて、たぷたぷまで汲んで、

ビニールの口を縛って運ぶ。

非常用水までの距離は往復50m離程度だけど、

7回までの階段が辛かった。

トイレのタンクに1杯だけ入れて、残りは非常用。

トイレもできるだけ流さない。

部屋の中でも家の外と同じ格好をしていた。

とにかく寒い。




昼近くに、また会社に行った。

携帯の充電をするために。

雪や雨が降っていたので、やっと運行を始めたバスで出かける事にした。

バスは待っても待っても来ない。

並んでる人たちに食べてくださいとキャンディーを回した。

とけてなくなるうちにバスも来るだろう。

1人、又1人と知人を見つけて車に同乗させて貰って行く。

結局残ったのは私と、次に並んだ年配のご婦人、若い女の子だけになった。

年配のご婦人は何の被害も受けてなくて、
家族が水や食料を調達してくるので何の不安も無いけど、
暇だから街に行ってみようと思うと話した。



黒い自分。情け無い。

そんな事を考えていると、バス停に青い乗用車が停車。

いつもなら、「ちっちゃいバスだこと」くらいの軽口も出るのに、
なんだろうとぼんやり見ていたら、窓が開いて、小奇麗な女の人が
「あなたたちどこまで行くの?駅までなら乗せてあげる、乗って」


ありがたく乗せてもらう。

食品が手に入らなくてと言うその女性に、
開いているお店の情報や炊き出し情報を話して、
自分の行く先を告げると、会社まで送ってくれると言う。

女性は一人降ろすとまた1人拾って駅に向かい、
私を会社まで送って行ってくれた。

非常用に持っていたお菓子をお礼に渡して、
食品が売っているお店まで案内して、
寒そうにしてたのでカイロも手渡した。

女性は長い列に並んで、お互い手を振って別れた。






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最終更新日  2011年04月05日 22時09分19秒


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