ホスピスの日々を共に生きて～レターに動揺を綴り、心鎮める妻

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August 17, 2017

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カテゴリ：ホスピスの日々を共に生きて～

ホスピス 19日目　　曇り後晴れ

昨夜は今までの眠剤と変わり、そのせいか朝まで睡眠が維持されてぐっすりの様子でした。
私もよく眠ったな～と感じ朝を迎えました。

妻からの朝の便り（１）

私の朝食が済みました。9時5分前です。気持ちよさそうにまた眠りましたね。
ここ2日ほど元気に過ごせてとても嬉しい。この快調が続いて欲しいと願っています。
「星の王子さま」読んでくれるほど元気になってね。
曇っていた空は次第に青空の面積を増やし白い雲がふんわりのんびり流れています。
当地は25℃と報じられていましたが秋も今日の夏日を最後に急速に勢力を増してくるようです。

妻からの朝の便り（２）　ＰＭ　１２：４０

あなたはまた良い寝息を立てて休んでおります。
あなたの病状に動じることなく元気に過ごそうと思い定めていますが、
いつも午前中のあわただしさが終わり午後になるとやはりやりきれない寂しさに
私の全身が引き裂かれる思いがいたします。
すべて投げ出したくなるような空しさ、自分が壊れていくような怖さ、
次第に心が沈んでしまいます。
独り遺された時の私の生はどんなに残酷なものでしょう。
でも私はこの残酷を徹底して味わって生きようと思っています。
寂しさの極限を何度か繰り返しながら
そこからまた、私の新しい生き方が生まれてくると思います。

妻からの朝の便り（3）　ＰＭ　３：０９

ここまで書いていたレターを読み返しました。あ～なんていうことを書いているのだろう。
「私は大丈夫です、元気ですからあなたは心配しないで」と、
どうしてそのようなレターを書かずにこんなこと書いたのだろう。
「やりきれない寂しさに私の全身が引き裂かれるようだ」とか
「ひとり遺された時の私の生は残酷なものだ」とか、
そんなこと書いたらあなたがどんなに辛いことか、
病床にあるあなたを苦しめるようなことをどうして私はレターに書いているのだろう
いくら自分が苦しくて寂しいからと言いながら
どうしてあなたを優しく労わることができないレターを書いたのだろう、
こんなレターを書いている私を許してください。

ホスピスでは夫が眠っている時間はＣＤやFMを聞いていました。

読書はする気になれませんでした。

そして若い頃に交わした彼のレターをいつも読んでいました。

そして私もまた日記のつもりで目の前の夫にレターを綴りました。

そのレターの多くは読まれないままのレターになりましたが日記のつもりで書き続けました。

この便りも彼の目に触れることはありませんでした。

私は午後からこうしたレターを書いたことで自己嫌悪に陥り、

ナーバスな状態になっていました。

そして夕方の出来事（続く）

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